見出し画像

番外編 コトナリ研究所(後編)

魔法使いの元に戻った片目の弟子は、師匠に感謝を捧げた。
6人の弟子と、片目の弟子での修行が再開された。

すると、片目の弟子は急にめきめきと力をつけ始めた。
魔法使いは、失った片目の代わりを魔法が補う形になったと言った。

遺った6人の弟子も、何か犠牲が必要なのではないかと思い始める。
師匠である、魔法使いは何も犠牲にしていないと言う。
だが、強大過ぎる力を制御するには、どうすればいいのか。
弟子たちの心はもう決まっていた。

「私は、ここにくるまでの記憶を捨てます」
「俺は、恐怖心を捨てます」
「僕は、家族との繋がりを捨てます」
「私は、これからの幸運を捨てます」
「俺は、人間であることを捨てます」

「私は、名前を捨てます」

やがて、弟子たちは魔法使いの予想以上の実力をつけた。
6人と一匹の弟子は、結界の外のモンスターを見事に退治した。

魔法使いは、6人の弟子には魔法を皆に広める為の支店を与えた。
一匹の弟子には困った人に店を案内する役目を与えた。

弟子たちは支店の店長に任じられた。
だが、弟子たちはそれを否定した。

「店長は、あなたです。師匠。」

こうして各支店の店長は、魔法使いが戻ってくる0番目の席となった。
副店長であり、弟子たちは1番目の席を守る。
旅に出た魔法使いが戻ってくるその時までに…


「…って書かれてるんだけど、どうなの?くーさん」
「大体合ってる…けど、店長はそんな神格者じゃなかったかな」
「じゃあ、店長は今、何をしてると思う?」
「危ない所にあって体に悪そうだけど、美味しいラーメンでも食べてるよ」


イラスト あの子様


よろしければ推してください!