引き換え

ずいぶん昔の話だ。セツ・モードセミナーにいた頃、ある学生がホシ先生に質問をしていた。セツ・モードセミナーはいろいろ不思議なルールがあり、そのひとつにこんなものがあった。セツ先生に質問があったら、ホシ先生かハツカワ先生に聞く。。。というものだ。セツ先生はたいへんお忙しいので、呼び止めることは許されない。ただ、セツ先生に話しかけた場合は話すことが許されるが

声の大きさは考えなさい。

というものだった。その学生が何をホシ先生に質問していたかというと、色彩検定を受けるべきか否か?ということでした。

ホシ先生の答えは
「あなたが就職が目的で色彩検定を受けて認定されるならば、それでいいのでしょう。ただ

あなたが生まれ持った色彩感覚は失う。

両方得ようということはできない」

という容赦ないというか、大変厳しいお答えでした!元日に神社の前に置いてある謎の高嶋式易占いレベルに『すごいことを普通に言うなー!』という感じで。私もそのことは気になっていた。というのも、当時は30年くらい前の話になるのですが、突然色彩検定という資格ができたのです。ほんとうに突然で、それまではグラフィックデザイナーとかイラストレーターの独自の感性だったのだと思います。周りから鍛えられるようなことはあったんじゃないか?と思います。絵の向こう側にいる人に会うようなことはほぼほぼないです。その永遠に会うことがない人の期待に応えるって

すごいよね!

色は私です。というイラストレーターとか映画監督とか、現実としているじゃないですか。その人たちが色彩検定の資格を持っているか?というと

ないという方がほとんどだと思っています。

ホシ先生がおっしゃっていたのは、そういうことなんだろうな。と思っています。

現在、服飾でイエローベースとかブルーベースとか、そういう型にはめるのが普通になってきているじゃないですか。計算上、ほんとうに失敗しないカラーだと思うんです。ただ

やっぱり着てみたい!と思ったら、試着だけでも挑戦してみて欲しいと思ってる。ほんとうにね。頭の中で『買って似合わなかったら無駄になる』と思ったとする。

下着だけでも挑戦してみて!誰にも見えないし、計算上似合わないとしても、

計算がすべてではない場合があるから!

案外パステルカラーだとボケる感じはあるけど、ブルーベースの方がパステルカラーの薄いイエローを着てみたら『似合わない。。。とは言えない?』ということはあるので。絶対に嘘を言わない友だちというのがいる人は、その人に意見を聞くといいと思うよ。

『この考え方は絶対失敗しないけど、つまらないんじゃないか?』というのが、イエローベースとかブルーベースとか骨格診断とかに対しての私の考えです。

現実として、私は本来はブルーベースなのですが、目の病気で時々白目が黄色っぽくなる日があったりします。

それで、パステルイエローを着たりするようにしてみたら、

薄い色のせいか、大きく失敗という感じにはなっていないと思います。

下着とかでもいいので『誰かが決めた色のルール』から、一度は飛び出して欲しい。パステルカラーだと、そんなにトリッキーにはならないと思うよ。

あなたは、どうする?

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