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文学者となる法

文学者となる法 1894(明治27)
内田魯庵うちだろあん 1868〜1929

特選名著復刻全集 近代文学館

内田魯庵 26歳。
文学者となるためのアドバイス本。と思ったらそうでもないようで、当時の文壇に対しての風刺と批評をこめた内容。
 

本の袋カバーにはAbraham Cowley(エイブラハム・カウリー)が書いた「The Grasshopper (バッタ)」という詩の一部。


▶︎遼東の豚の子=遼東之豕りょうとうのいのこ 中国故事
「ひとりよがりの私(=内田魯庵)が今の文学者のみなさんに贈ります」

自己啓発本かと思ったらまさかの「批判本」でした。😓


浮世絵師 小林清親(きよちか)による15色木版刷の折り込まれたページ。

よく見ると、さまざまな格好をした人たちが馬と鹿に乗って「是より文学国」にきてお茶屋の名物「骨抜きだんご」を食べに来ている様子。
馬と鹿に乗る人→「馬鹿」だそう🫢 


P1

第一 文芸界の動静を知る法
第二 文学者となり得る資格

P2〜3

第三 文学者として学ぶべき一般の見識及び嗜好並びに習癖
第四 交遊に於ける文学者の心得

見出しだけでも興味津々・・

P54〜55

覚えておくべき外国文学者

【英国】ディケンズ、サッカレー、リットン、ビーコンズフィールド、マコーリー、カーライル
【フランス】ゾラ、ドーデ、ユーゴー
【ドイツ】ゲーテ、シラー、レッシング
【ロシア】トルストイ、ツルゲーネフ、ドストエフスキー
【アメリカ】アーヴィング、エメルソン、ロングフェロー

ちなみに内田魯庵は山田美妙の「夏木立」のレビューを書いて有名になったそうです。

最初はこの本のタイトル通り、自己啓発本かなと思ったのですがなんかおかしい。と、翌朝もう一度本を見てみたところ、表紙裏のページを見過ごしていました・・。このページにすべての皮肉がこめられている。そして次ページの絵も批評のてんこもりです。

当時、世間的に見て「どうなの?」という薄い?文学者(または目指すもの)が多かったのでしょうか。

「あー、つかれた」という表情の挿絵。最後もまた皮肉で終わってます。
でも批判だらけのこの本。私もちょっと・・疲れたかも?!😁

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