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第7回 子別れ

前回、。(まる)のイラスト、少年の髪の表現、トップ画像の紺色と似てますね。僕はこの絵の具?の滲む表現がとっても好きです。
背景も少年の天真爛漫な子供らしさが表現され、素敵でした。

今回の伝言ゲームのテーマは、春風亭昇也さんの「子別れ」です。
江戸時代末期の落語家さんの創作落語とされるこの噺、『時代は異なっても、子供らしさや子供への期待、親(大人)のわがままって、通ずるものがあるなかなぁ』なんて考えちゃいました。(笑)
昇也さんの演じるカメとクマさんは必見です!
今回、興味を持って頂いたぜひliveで昇也さんの「子別れ」観て下さい(^^)v


お楽しみ。のイラストは19日(木)、公開予定です。

○落語会
神保町かるた寄席
会場:奥野かるた店 2F
春風亭昇也さんとゲストの落語家さんの高座、そして、長井好弘さん(演芸評論家)のトークで構成される会です。
長井さんの語ってくれる演芸界の文化や内輪話、書籍の紹介は、他の落語会ではない魅力です。演芸界との距離を縮めてくれること間違いなし!

○演者、演目
春風亭昇りん 修学旅行の夜に
春風亭昇也 子別れ

昇りんさんの「修学旅行の夜に」も少しだけ紹介。修学旅行といえば、生徒(達)が主人公となりそうですが、この噺は先生(達)が主人公の新作落語。昇りんさんの目の付け所に驚いた。そして、もちろんしっかり笑わせてもらった(^^)v

○ゲームのテーマ
春風亭昇也 子別れ

昇也さんは笑点の司会でお馴染み春風亭昇太師匠のお弟子さん。また、「成金」のメンバーでもありました。
昇也さんの高座は自然に噺の中に引き込まれていることが多いです。頭の中に噺の情景が広がり、噺の進行に従ってどんどん展開していきます。
今回も、クマさん(父親)の心の移り変わり、会話毎に見せるカメ(子供)の表情がとってもわかりやすく、聴き取りやすい高座でした(^^)♪

噺の概要
クマさんは腕のいい大工だがお酒にだらしない。奥さんとは離縁し、子供も奥さんついていって、今は一人暮らし。
そんなクマさんがお酒をやめ、生活を改めたところで、子供のカメと出会う。これをきっかけに家族が再び…。
この中心にいるのが子供のカメで、母親と自分の現在の生活を熊さんに伝え、母親にクマさんの現在の生活と奥さんへの愛情を伝える。元夫婦が再会の場面では、大人の気まずさや恥ずかしさをぶち壊して、クマさんと母親の距離を縮める活躍。
さらに、このコメディのサゲもカメの一言。

熊さんから50銭もらい、使い道を聞かれると、
カメ)鉛筆を買う。
鉛筆を買うお金に困っているのかと問われ、
カメ)ううん。鉛筆はある。あるけど、短くて使いにくいから、鉛筆を買うんだ。
結局、鉛筆を買うお金に困っているのだが、熊さん(父親)を気遣い、お金に困っていることを否定する健気さ

熊さんに50銭もらったことを口止めされたが、母親に50銭の出所を問い詰められ、嘘で逃げず、頑なに約束を守ろうとする義理がたさ

自分のだらしなさが元で別れた奥さんに話しかけられない熊さん。久しぶりに会いバツが悪く熊さんによそよそしい奥さん。二人の間で、無邪気に振る舞い二人の会話のきっかけを作る屈託のなさ

昇也さんはこの健気さ、義理がたさ、屈託のなさをかわいらしくコミカルに演じていた。
お陰でこの噺の印象はしめっぽい重い噺ではなく、子供や家族のありがたさや相手を思いやる気遣いへの感謝が印象深いハートフルなホーム(?)コメディに感じられた。

○僕のツボ
50銭の出所を問い詰められ、嘘はつけないが、約束を破ることもできず、困るカメ。

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