見出し画像

富士見坂(東京都荒川区西日暮里)-標高20m

自宅は標高1mの低地ですので、高い土地に憧れを持っています。
高地でなく、散歩程度でちょっと見晴らしが良くなる程度の高さが理想的なのは江戸時代の人々も同じであったよう。このあたりはかつて道灌山(どうかんやま)と呼ばれた景勝地で、多くの人が訪れていたそうです。
じめじめとし窮屈な人混みを抜け出して非日常を味わっていたのでしょうか。
富士見坂では今は富士山は見えませんが、外灯や掲示されている写真からいかに地元の方に愛され続けているかが分かります。
車の通れないほどの細い素朴な通りなんですが、墓地のレンガ造りの壁と卒塔婆越しに見る空にここにしかない不思議な魅力を感じました。
坂を下りきり、日暮里駅方面に向かうと突如として賑やかな人混みに。谷中銀座です。抜け出したはずの猥雑さに、人の世に戻ってきたようなほっとする感覚と少々の体の疲れも感じつつ、次回はあれを食べようなどと物色しながら駅へ向かったのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?