門限

32年、いろんな人と関わるなかで【壁】みたいなものをかんじるときがあります。

すごくすきだし楽しいけど、
ちょっとだけちがうルールのなかで住んでるなぁとあう透明な壁。
きっとそれは【価値観】だったり【その人の世界の普通】だったりするんだとおもうけど。

その透明な壁を感じても、良いお付き合いはぜーんぜんできるのだけど、ふと『あ、ビニールの壁だ』と感じてしまうことがよくありました。

その壁は色々あるけど、ひとつは門限でした。


学生の時は、周りの子たちも門限があったので
「あー、もう門限だから帰らなきゃー!」と言っても「うちもうちもー!」とバタバタ電車に乗り込んでいたのですが、

大学生になると一人暮らしの人も周りに増えたり
「門限だからごめんなさい〜!」と時計を見ながら帰っていく人が急激に減りました。

私の家は、門限は必ずあり
大学生になってバイトをしていても22時すぎたら「どこ?」とメールと電話の嵐。
なんなら親が迎えに来ちゃうこともありました。

私はテレビ大好き人間だったので
テレビのためにも早めには帰っていたのですが…。

もう門限ないっしょ!と思っていた社会人時代。甘かった。
なんと門限は22時30分でした。

「なんで門限あるの?」と聞いたら
「夜中まで遊ぶというのは、アルコールが入っていたり解放感があって判断力も低下しやすくなるので日中より危険。親以上に守れる人はその場にはなかなかいないと思うので安心して眠れません。」と言われたり、
「真面目こそ身の守り」とよくながーい説教をされました。
歯を食いしばりながら聞いてたけど、一理あるとおもいながら守る日々。

私は新宿で友達とご飯を食べることが多かったのですが、
実家のある八王子まで電車で50分以上はかかるため、お店を出て家に何時に着けるか時刻表で逆算しまくり。

だいたい21時には新宿発の電車に乗ればOKだけど、
社会人で21時前に「ごめん…門限あるから帰るね」と言ってる人、私くらいしかいなかった。。。
友達も「いいよー!」とさっぱり帰してくれていたので感謝してるし愛しています。

「そんな門限、破っちゃえばいいじゃーん!」と言う人もいたけど、
門限すぎても帰ってこなかったらチェーンされて閉め出し or 携帯取り上げ or 遊ぶの禁止 or 親が車で迎えに来る。
…そんなの当たり前だったし、一回父が翌日仕事が早いのに夜中に車で迎えにきたこともあったので
迷惑はかけたくない思いもあり、
「ああ、きっとわかってもらえないな」と肩を落としたこともありました。

そういう瞬間に感じます。
「たぶん同じ世界じゃないんだろうな」という透明な壁を。

門限なしで、責任を持って自由に行動できるのも良いと思います。よりはやく自立できるかもしれない。
私の知らない世界がそこには無限にある。

でも私は25年、0時にはお部屋でパジャマ姿なのが普通だった。
べつに悲しくもなかった。
ほんとにそれが【私の世界の普通】だから。

一人暮らしを名古屋ではじめたときは、
「門限ないぜー!」とガッツポーズしたものの
早朝の番組を担当したため、
夜7時に寝て朝2時に起きる生活!
門限なくても夜7時にはお布団にいないとまずいという日々に…。

結婚をして、つい最近夫婦で遠出をしたのですが
夜9時には電車にのって、10時にはおうちにいるのが心地いいと感じて「私って変わらないなぁ」と思いました。

私が夜出かけていても、
「9時過ぎには迎えに行きます」という旦那の考えも
私にとっては窮屈ではなく【普通】の感覚なので
「この人はおなじ世界だ」と思えて居心地の良さをあらためてかんじました。


たまに、娘ができたら
門限どうしよう…嫌がるかな…でも守りたい…と
まだしなくていい心配をするのですが、
門限を課す意味を理解してもらえるようじっくり伝えたいなとおもいます。
私もめちゃくちゃ喧嘩して、めちゃくちゃ話し合ったから…。


しかし、門限早くても
わたしテレビと漫画がだいすきで夜ふかししちゃうんだよね。
これ、なかなか直らない。
人間はなかなか変わらない。


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