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たまちゃんのような親友


わたしは、「ちびまる子ちゃん」がだいすきです。

物心ついたころからピーヒャラピーヒャラと歌い、
テレビアニメのオープニング曲『ゆめいっぱい』は
大好きすぎて歌わず、微動だにせずオープニングをガン見していたらしい。

少女漫画雑誌りぼんで連載されていた「ちびまる子ちゃん」。
何度も何度も単行本も読んでいるため、
まるちゃんのおもしろエピソードもちょっと泣けるエピソードも心があたたくなるエピソードも思い出してはプププと思い出しそうになったり泣きそうになったりします。

今日、まるちゃんであるさくらももこさんの中学〜漫画家になるまでのエピソードを詰め込んだ『ひとりずもう』の漫画版を久々に読みました。

この漫画に描かれている思春期の微妙な気持ちや悩み、進路や夢。
そして親友たまちゃんへの想いが見事にわたしと重なっていて本当に本当に大切な書籍です。

そのなかで今回とっても刺さったのが
親友たまちゃんとまるちゃんの選択。

赤いスカートはいて呑気なまるちゃんと、
穏やかで鋭いたまちゃん。

小学生のときの2人の大げんか回もハイパー泣いたけど、このふたりが高校卒業を前に
それぞれ『やりたいこと』をみつけて、打ち明けて応援し合うシーンがあるんです。
いつも一緒にいたふたりが、いつまでも一緒にいるとは限らない。
ふたりのやりとりに、わたしは今回とんでもなく泣けました。


たまちゃんのように、いつもくだらないことで笑ったり、感動したり、たまにぶつかったり。
なくてはならない存在の友達、まるちゃんでいう『親友たまちゃん』みたいな特別な人がわたしにもいます。

33年生きてるもので親友と思っている人が
複数いるのですが、
この本を読むといつも思い出すのが初めてできた『親友』のみーちゃん。


彼女との出会いは小学校2年生のとき。
転校生だった私は緊張していたはずなのに、
クラスの中でひときわ可愛かったみーちゃんにすぐ目をつけました。
「目がぱっちりしていてスラッとしていてお洋服もかわいい!」
そう思った私は、すぐに彼女に近づき「一緒に帰ろう!!」と声をかけました。

まるちゃんも、「初めて会った時からたまちゃんと仲良くなりたい」と思っていたとあって
私と一緒だ〜と共感。


みーちゃんとわたしは、それから毎日のように一緒に帰り、週に1回お互いの家や公園や学校で遊び…
どんどん仲良くなりました。
校庭の砂場で綺麗な泥団子をつくったり、
ブランコに乗って流行りの歌をうたったり、
ジャングルジムで大げんかしたり。(危険)
安室ちゃんの生写真やミルキーペンを買いに行ったり、交換日記も何冊も何冊も…たくさんしました。

とんでもなく気が合うけど、
とんでもなく負けず嫌いなふたりだったので
喧嘩も酷かった。。。
よく絶交し、お互いワンワン泣いて結局仲直りする日々…。

ずっとみーちゃんとゆーちゃんは一緒。
そう思っていた呑気なわたしたちですが、
小学5年生のときにわたしの転校が決まります。
みーちゃん、めちゃくちゃ怒りました。
「ずっと一緒って言ったのに!ゆーちゃんなんか親友じゃない!」といわれ私は大泣き。

それでも引っ越しの日、お別れはやってくるんです。

みーちゃんもわたしもどう仲直りしたかはわからないけど「電話と手紙交換は絶対する!」と言い合い、私ははじめて『親友』とのお別れを経験しました。

毎日、「バイバーイ!」と言い合ったみーちゃん。
「安室ちゃん結婚しちゃった!」と朝はやくに家にきて大暴れしたみーちゃん。
何かあってもなくても一緒にいた存在が、なかなか会えない距離になる。
はじめて味わう喪失感でした。

それでも、夏休みは一緒にプールにいったり
電話も手紙も欠かさない日々。
なんだかんだ会えてるみーちゃんから、
「わたし、外国に行くの。」といわれたのが小学校6年の時でした。

また遠くなる。

その時は、私は石川県にいたので
石川と東京もまあまあ距離はあったのですが
つぎは外国…。
私のことを忘れて欲しくないと、金沢の大丸でお揃いのブレスレットを贈ったのを覚えています。

大丈夫かな、私たち親友で居続けられるかな。

そんな不安もありましたが、
中学生になり私の家にはエアメールが届くようになりました。
海外から届くエアメール!
封筒を開くと、見慣れたみーちゃんの丸文字!!
嬉しかったな〜。

夏休みのたびに帰国する彼女とは
中学生のときは親同伴で渋谷へ遊びに行ったり…
とにかく楽しかった。
高校生になってもやっぱり帰国してくれて
一年分のプリクラも撮って思い出づくり。

「わたし、大学はイギリスに行ってファッションの勉強する!」と言われた時、
もうこの人とは距離とか関係ないなという確信もあり全く寂しくありませんでした。

お互いなかなか難しい夢を追い、
大学卒業後もちがう仕事をしながら自分の本当にやりたい仕事の準備をしていくように。
同じ境遇だったわたしたちは、SNSのDMやskypeで延々と愚痴や夢を語る日々。

そしてお互い20代半ばでやっとやりたかった仕事をするように。
みーちゃんが日本で担当したファッション雑誌は、わたしにとっても宝物。
いまでも家でたいせつに保存しています。
彼女の名前が入った誌面を見たとき、本当に嬉しくて本屋にいる人みんなに見て欲しかった…!

インターネットが普及してくれたおかげで、
いまやinstaで毎日彼女の仕事ぶりやライフスタイルがわかるように。
頑固でマイペースなわたしたちは
「うちら結婚できないね〜アハハ」と笑ったり焦ったりしていましたが、これまたびっくり。
ほぼ同じくらいに結婚。


ずっと連絡はとってないけどなんか一緒にいるみたい。ふしぎな存在のみーちゃん。


そんなみーちゃんがいま住むミャンマーで、
大きな変化が起きたことを私はニュースで知りました。

彼女は?彼女の旦那さんになる人は?
新婚生活は?
一緒にごはんをたべたことがある彼女のお父さんとお母さんは?
わたしは不安になりネットで情報を追うことしかできない。
ネット環境も断たれたと知り焦るなか、
みーちゃんから連絡がきました。

生活が変化してしまったこと、
彼女の不安や恐怖。
私はなんて声を掛けていいのかわからなかった。
なんて言ったらいいんだろう。
私にできることってあるんだろうか。

そんな時によんだ、「ひとりずもう」のまるちゃんとたまちゃんの姿。

わたしとみーちゃんも、ゲラゲラ笑って、泥団子つくったりみち草したり大げんかしたり髪つかんだり。
転校して、それでも年に一回遊んで。
外国行っても、やっぱりたまに遊んで。
ネットのおかげで毎日コメントのやり取りしたり。
距離なんてわたしたちの友情には関係ないね!
と思っていたけど。

無事でいてほしい、
『みーちゃんに、また会いたい。会える日はいつだろう。』と読みながら今日は涙がたくさんでてきました。

たまちゃんのような親友である、みーちゃん。
みーちゃんとみーちゃんの家族が穏やかに暮らせる日と、
わたしとみーちゃんがゲラゲラわらいながらスタバでお茶できる日が早く早く来ますように。

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