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西興部村の主力産業はエレキギター板のわけ

西興部村。ふだん道央圏に住んでいる人にとっては、なかなかなじみが薄いまちかもしれない。オホーツク管内に位置するものの、海からは直線で20キロほど離れた内陸部に位置する。意外にも、上川管内の名寄市との結びつきが強い。それは、かつて名寄本線という、名寄=下川=西興部=興部=紋別=湧別=遠軽 という鉄路がつないでいたからだ。

村の人口は975人(2024年2月現在)。道内で3番目に少ない自治体となっている。かつては5,000人もいた。面積の9割を森林が占める林業と酪農のまちだが、これまた意外にも、エレキギターが主力産業になっている。村の出資で1990(平成2)年に設立された第三セクターの公社・現「オホーツク楽器工業」は現在、従業員37人。国内で生産されるエレキギターは年間約8万本のうち、約2万本分のボディーを出荷する。

このような村でなぜ、エレキギターなのか。そもそもは、林業が盛んだったことによる。村内で伐採した木材を加工していた木工所製品のひとつが、ギター用の原板だった。バブル期、急激な円高で割安になった輸入材におされてこの木工所が倒産する。雇用と木工技術を守るため、村は第三セクターの公社を設立した。以降、国内大手のメーカーからOEM生産を担い、これまで9社から14ブランドの生産を請け負う黒子として成長してきた。


「セトウシくん」の紹介POP


2016年7月。村の公式キャラクターが選定された。「セトウシくん」はエレキギターを手にする。1925(大正14)年に興部村(当時)から分村して誕生する前の地名「瀬戸牛(せとうし)」が名前の由来である。

西興部村には、道の駅「にしおこっぺ花夢(かむ)」がある。村の中心部から下川町側に約7キロ。かつて国鉄の「上興部駅」があった集落のすぐ近くに建てられた。2000年8月開業。6haほどの広さを誇るフラワーパークのほか、からくりオルガンに合わせて木の人形が踊る「森のオーケストラ」が楽しい。

道の駅の外観。オレンジ色は同村のシンボルカラーになっている


役場や村営ホテルがある中心部にはキャンプ場がリニューアルしている。ログハウスの別荘コテージも営業する。日本最北のバッティングセンターも存在感を放つ。

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