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北海道博物館にある「北海道鳥瞰図」

札幌市の郊外、野幌森林公園にある「北海道博物館」。ここの2階に展示され、異彩を放つのが「北海道鳥瞰図」である。その魅力を新聞日曜版が伝えている。作者は京都出身の絵師・吉田初三郎(1884-1955年)。1936(昭和11)年に描いたものだ。タテ約1.7M、ヨコ約5.7Mの大作。北海道庁から鳥瞰図製作を依頼された吉田は、80日間ほどをかけて道内を駆け回り、その間のスケッチを基に作品を完成されたとされる。

吉田は自ら「初三郎式」と呼ぶ独特の鳥瞰図を創案したという。吉田が活躍した第1次大戦と第2次大戦の戦間期は、観光産業が本格的にすそ野を広げた時期でもあった。絵には明治以降、急速に発展した鉄道網が描かれている。

絵では、羊蹄山や洞爺湖・支笏湖が大きくデフォルメされて描かれている。一方で、札幌や帯広、旭川といった都市部も詳細に記載される。不自然ながら、そう感じさせないところが、吉田の真骨頂なのだろう。見ているだけで旅気分にさせられる、とはよく聞かれる感想だそう。北海道博物館に足を運んだ際には、エレベータ上がってすぐに展示されるこの大鳥瞰図をとくと眺めて、旅気分を味わってほしい。

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