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老舗店探訪|そば処 丸福(帯広市)

創業は1920(大正9)年、百年を超える。帯広市内では最も歴史あるそば店として知られる。JR帯広駅から徒歩約8分。店舗外観は、その構え、看板、扉と、威風堂々とした老舗らしさを醸し出している。店内はテーブル席のほか、一人用の囲みカウンター席と、囲炉裏がある小上がりがある。

老舗感あふれる外観

看板メニューは季節を問わず人気の「冷やしかしわ」であるが、真冬の帯広、冷たいそばはちょっとキツいなあと、「一番人気」と書かれた「かに天そば」(1,830円)を注文した。カニは根室のタラバガニのむき身を使い、四角い天ぷらにするのが特徴だ。半分がつゆに浸かり、衣のざっくりとした歯応えと、中はしっとりとしたカニの味わいが魅力である。地元・帯広を中心とした道産そば粉で毎日手打ちする二八そばに合わせるつゆはまろやか。そばの量は見た目以上にボリュームがあり、掘っても掘っても底が見えないほどであった。

札幌の狸小路にあったそば店「山福本店」のそばに感銘を受けた吉川庄太郎さんが創業。妻のいとこであった千葉惣助さんが2代目となり、現店名とし、昭和初期には帯広の財界人が集う「丸福ロータリー」とも呼ばれるほど繁盛したそうだ。現在は4代目の千葉隆一さんが、その味を守る。「昨日と同じ味、毎日同じ味を出すことがいかに難しいか、日々実感しています」と雑誌の取材に答えている。

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