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[読書]スクールセクハラ

2022年2月16日現在、Kindleでセール中だったので本日はこの本を取り上げたい

この本での被害者は全員女生徒だ。男子生徒が被害者となるケースは取り上げられていないのでそちらは別の話として置いておく。

教師を「聖職者」などと呼んでいる人にとってはなかなか衝撃的な本だと思う。
小学生の女の子までを恋愛対象として錯覚する男性教師までいるのだから。
そして彼らは、自分たちが生徒にとって絶対的な権力者として見られていることに無自覚だ。子供たちが教師に優しくすればそれを対等な愛情として受け取ってしまう。(実際は権力者の言うことをただ素直に聞いているだけなのに)

人は見たくないものに蓋をしがちで、凶悪犯などが現れた際には自分たちとの相違点を探したがる。異常者だとレッテルを貼って自分たちとは違うと安心したいから。
僕はそれを危険な考えだと常日頃思っているので逆を考える。
彼らは自分と同じ人間だと。人間だから間違う。自分も彼らと同じ環境にいたら同じことをするかもしれないと。

教師の中には元教子と結婚するケースもかなりあるらしい。

教師は社会を知らない。
大学を出て大人に接する前に教師として子供相手に仕事をし始める。
初めから権力を行使できる存在として。
周囲に社会を知らない大人しかいない状態で、少女たちが男性教師に微笑みかけたら恋愛感情を抱いてしまうと言うのは肯定したくないが納得できる話ではある。
でもその笑顔は、少女が家庭で愛されていなくて父親を求めているSOSなのかもしれず、それを教師が間違った受け取り方をすることで少女を更なる地獄に落としてしまう。

本書は、著者が被害にあった女性たちに寄り添い、加害者に罪を認めさせインタビューを行うまでの経緯を記した本になっている。

僕はこの本に書かれたいくつかのケースを呼んでなぜこんなことになるのか色々考えた。

一般企業で働く人が出会う同年代の異性の数と教師の出逢える同年代の異性の数には開きがあるように思える。事実、中学生以上の子供たちを指導する教員だと土日も部活動で出勤していたりするし。
学生時代によっぽどしっかり遊んだ人でないと自分でも気付かぬうちに生徒にセクハラをしてしまうのではないかなと思う。

教師というものを資格の取り方から見直したほうがいいのではと思う。
もちろん、隠蔽体質のある教育委員会も含めて。

今いる教職者には決して驕らず、生徒を導く存在であると自覚を持って欲しい。
少なくとも自分が学生時代に経験した嫌な教師にならないように。


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