アメリカ道中膝鼻毛 Day4

8/22
今日はシックスフラッグス・グレートアドベンチャーである。前日の夜早めに起きようと思って7:00にタイマーをセットしたが、寝る直前にどうも日本で解剖の試験の結果が発表されたらしいことを知る。日本の誰かが早起きして教務課に行ってくれないと結果が分からないので、前夜は結果を待たずに寝たのであるが、5時くらいに目が覚めて、今スマホを開けると結果が学年LINEに出てるんだろうな、とか思っていたら寝れなくなった。6時くらいまで我慢したけど、ええい見ちまえと6時過ぎに学年LINEを開けた。正直落ちてるかなと思ってたけど意外に受かってたので一安心。予想外に早く目が覚めてしまったので朝飯を食いに遠出しようと思い支度して外へ。行き先は事前調査で目を付けていたカッツ・デリカッセンなる店。2キロくらい近くまで地下鉄で行き、そこからはバスを使わずに徒歩で行ってみることにした。ただ、アメリカの地下鉄というのはなにかと治安の面で評判が悪く、例えば中3の時ロサンゼルスで地下鉄に乗った時は、ラリってるおっさんが天井にスピーカーをくくりつけて奇妙なダンスを満面の笑みで披露し出したと思ったら、直後いきなり厳しい顔になって、ダンスしてやったんだからチップを出せと乗客に迫り出したりしていたのを見たことがあったので、どうせニューヨークも似たようなもんだろうと少し怖かった。しかし今回は駅構内に入るとその辺のベンチで寝っ転がっている輩が散見されたものの、ラリっているおっさんはいなかった。安心である。そして駅を出ると、そこかしこから白煙がもくもくとあがっていたがあれは何であろうか。

もくもく

さらに、なんかくねくねしてる奴がいると思ったらランジで移動している奴がいた。ランジといえば部活のウォームアップを思い出すが、彼は私と目が合うと少し顔を赤らめてそのままランジで去って行った。

ランジ

さてカッツに到着した私は、名物パストラミとソーダを頼んだ。パストラミというのはユダヤ人の食い物らしく、牛肉をパンで挟んだサンドイッチのことである。写真を見る限りどう見てもうまそうだったが、期待度MAXで出されたパストラミを見るなりびっくりした。人が朝に食うような量じゃないのである。とにかくでっかい上に全体積の80%くらいは肉である。美味いことには無茶苦茶美味いが、あまりに肉すぎてこれはサンドイッチではなくただの肉であるといえる。

パストラミ(なんか写真ではデカさが伝わらん)

頑張ってほおばるも、なぜか一緒に出てきたきゅうりは食い切れなかった。こんなに腹一杯でジェットコースター乗りまくって大丈夫か。不安な気持ちで私はカッツを後にし、地下鉄でタイムズスクエア近くの高速バス停に移動したのである。そしてバスは1時間少々でシックスフラッグス・グレートアドベンチャーに到着。
シダーポイント同様ここからは各々のジェットコースターの感想を書いていく。

Nitro
B&M製のマシン。ジェットコースター評論家の市川尚孝氏が太鼓判を押しているらしい。ジェットコースター評論家というのはどういう職業なのか分からんが、とにかくその彼曰く素晴らしいらしいということなので乗ってみた。実際のところ大変素晴らしく、私個人的にあまり好きではない(刺激が少ない)B&M製コースターにしてはトップクラスに良かった。このコースターの特筆すべきところはその極上エアタイムである。ふわっ、ふわっと訪れる心地良いマイナスGには感動した。エアタイムをしっかり味わいたいのなら最後尾がおすすめである(アメリカではマシンによっては乗る列を選べる)。90点

Nitro

Jersey Devil Coaster
人生初のシングルトラック型コースター。シングルトラックというのはレールがただの一本の棒になっているマシンのことである。RMC製だということで、確かに白鯨あたりの木製コースターと似た乗り心地がする。激しいのに無理の無い、優秀なマシンである。ただ一列1人なので回転が悪く列の進みが遅い。78点

Jersey Devil Coaster

Green Lantern
日本では珍しい立ち乗りコースター。岡山にバックナンジャーという立ち乗りコースターがあるが、あれはあんまり乗り心地が良くなかったのだがこっちはどうかと思ったら、やはり重心が高いので頭をショルダーバーにドコドコ打つ上、立ち乗りなので強いGがかかると足に血がたまってむくんだような感じがするし気を失いそうになる。あまり好きではない。65点

Green Lantern

El Toro
Intamin製の木製コースター。インタミンの木製コースターは初めてであるが(多分)、乗ってみると確かにインタミンである。最後尾に乗ったところファーストドロップは強烈だった。
このコースターで気に入ったのは、急旋回時にレールの横のハシゴみたいなやつが真横スレスレまで近づくことである。このおかげでむっちゃスピード感あって良い。RMC以外の木製コースターではこれが一番好きである。85点

El Toro

Kingda Ka
ジェットコースターの王者としてその名を世界に馳せる、界隈の人じゃなくても知ってる人がいるレベルの最強マシン。最高部は高さ139mとギネス世界記録を誇り、最高速度も時速206キロともはや常軌を逸している。乗る前むっちゃ緊張した。実際に乗り込むと、列車がプラットフォームを出て一時停止した後一気に最高速度まで加速。206キロの風を受けてまぶたがはためく。そのままぐーっと上昇し、地上139mに達すると同時に一気に垂直落下。もうカオスである。皆狂ったように叫んでいたが私も乗車中ずっと叫びっぱなしだった。おかげで前の金髪兄貴の髪の毛が口に入った。彼は今後薄毛に注意である。95点。

Kingda Ka

Batman the Ride
日本なら姫センのディアブロと同じモデルであり、アメリカには同名の同じモデルが何個かある。このモデルの特徴はGが強いことである。なんか最近強いGに弱い私は、歯を食いしばって耐えるのである。70点

Batman the Ride

Medusa
フロアレス型コースター。今回最前列に乗って再確認したが、大抵のジェットコースターにおいて私は最後尾が一番だと思っているがフロアレスに関しては最前列がベストである。足元まで視界が広がるし、後ろに乗るとハーネスに頭を打って痛い。73点。

Medusa


・今回の各コースター乗車回数
Nitro 4回
Jersey Devil Coaster 2回
Green Lantern 1回
El Toro 2回
Kingda Ka 5回
Batman the Ride 1回
Medusa 1回
Wonder Woman Losso of Truth 1回

今日で遊園地は終わりなので、最後何にのるか迷いどころだったがKingda Kaを選択。最前列に乗車すると、隣にやけに騒がしいおばはんが乗ってきた。早口でめっちゃ喋りかけてくるので、こちらも何か言わねばと思いアイムフロムジャパンと言ってみたところそのおばはんは突如発狂したかの如く雄叫びを上げ、アイワナゴートゥジャパン‼︎ネクストイヤー‼︎とか言い出してもっと早口になった。せっかく最前列なのに前に集中できんぞと思ってたら、おばはんは車両が最後部に達したら空を見なさいと言う。それは普通に耳寄り情報なのでよく聞くと、夕暮れの空が美しいらしい。そうかそうかと思っていた頃にキンダカは突然発進。3.5秒で時速206キロに達するその加速は短いようで長く、加速の後半のあたりからはあまりにものすごい風圧のためまぶたや顔の皮膚がブルブル震えて前方が少し霞んでくる。さらに手を挙げると服の袖が超高速ではためいて腕に打ちつけるのでなんか痛いという摩訶不思議な体験ができる。そして最高速度に達した車両は一気に上昇、結構なGに耐えている間にあっという間に頂上へ。ここでおばはんが左を指差してあっちを見ろ、と叫ぶので見てみるとそこには綺麗な夕焼けが広がっていた。おお、夕焼けだ、もうこれでジェットコースターはもう終わりか、ありがとうアメリカ、と感情に浸っているとまもなく車両は垂直落下を始めた。私がうおおおっと叫んでいたら、隣を見るとおばはんも何か分からないが絶叫していた。多分後ろの人たちも同じ。キンダカに乗った人間は皆平等である。あまりにカオスすぎて叫ぶしかないのだ。その後落下を終えた車両は少しホップしてブレーキ。まだ旅は終わってないのに、今回は最高だったなぁ、やっと小学生以来の夢が叶ったなあと感動で胸がいっぱいだったのであるが、時計を見ると8時直前であった。バスが駐車場を出るのは8時15分。もうそろそろ出ないといかんなと後ろ髪を引かれる想いになっていたら、ハイテンションおばさんがこちらにやってきて、なんかまた早口でまくりたて始めた。私は来年日本に行くのだ、ド・ドドンパが亡くなったのは痛恨の極みだ、とか言ってるのでこの人は界隈の人なのかなと思っていると今度は福島の原発事故は大変だったわねぇ可哀想に、とか脈略のなさそうなことを言い出して、しまいには原発を建てる奴は建築を分かってない馬鹿だ、もっとこれこれこんなふうに建設せんかい、とか力説し出した。そんなこと言われてもこっちには時間がないのだ。あーはいはいと適当に受け流すも、今度はおばはんはFacebookのアカウントを交換しようと言う。フロリダのタンパのブッシュガーデンとユニバーサルスタジオが素晴らしいからまたアメリカに来た時は連絡しなさい、連れて行ってやると言い出した。ありがたい話でなくもないが初対面ののおばはんにそんなこと言われても困るし第一はやく帰らせろ、とあまり話が入ってこない。結局おばはんがどこかに消えたのは8時5分くらい。キンダカはパークの奥まったところにあり、かつバス停は駐車場の一番奥である。私は全力ダッシュした。バスを逃すと運転免許のない私は詰むのでもうそれはそれは全力で走った。この時、大学入学時バスケ部に入っといて良かったと心から思った。なんとか私は13分くらいにバスに滑り込み、ああ疲れたと思った次の瞬間もうマンハッタンであった。どうやらだいぶ旅の疲れが来ているようだ。さらに朝のパストラミがまだ腹に残っているためか昼飯はおろか夜飯も食う気にならん。恐るべきパストラミである。疲れとパストラミのせいでどうもあんまり体調が良くないっぽいので薬を飲んでさっさと寝ようと思う。明日は教授とご飯を食べる日だ。それまでに体力を復活させよう。おやすみなさい。

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