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詠んだり学んだり~4月第4週まとめ

月に1度、お手紙でやり取りする句会に参加しているのですが、そのお仲間が旅行へ出かけて、プラハの景をいくつか詠まれていました。プラハと言えば、カフカ、ですよね。わたしの愛読書『ミレナの手紙』の編者、池内紀さんも俳句をやっていて、『尾崎放哉句集』を編んでいることを知り、早速購入。

教科書に載っていた「咳をしても一人」のインパクトは大でしたが、自由律俳句の良さは、俳句を始めるまで全くよく分かりませんでした。尾崎放哉さんのめちゃくちゃな生き方を知ったのも、最近のこと。池内さん編の句集を読み、今更ながら初期(というにはずいぶんと長い期間)はきちんと有季定型句を詠んでいたことも知り、なんというか、わたしもこの先何が起きるか分からない、頑張ろう、という気持ちになりました。

さて、さて、この週は、結社の吟行句会からスタート。藤が盛りの亀戸天神へ出かけてきました。

帰ってきてからも、藤のことをあれこれ考えて、いくつか詠んでみました。

0421 人生の行き交ふ藤の花の下

【日曜句会】

①藤棚の下へ下へと誘ふ風

②横十間川まで藤の匂ひ立ち

見たものをそのまま詠もうとすることと、季語としてのそれを詠むことが、まだ自分の中でうまく消化できずにいます。それと同時に、なんと言っても詠みたいことを詠もう、という気持ちもあって。いろいろと難しいですね。

0422 色褪せど八重のまゝある八重桜

年度当初の現場回りもいったん終了。

0423 愛憎の蠢く書架に春暮るゝ

歓送迎会から帰り、酔った目で自分の本棚を眺めてしまったせいでしょうか・・・。

0424 雨も夜も明るうしたる春満月

満月の日は、見えても、見えなくても、どうしても詠みたくなってしまいます。

0425 花屑や朽ちた茶色も春の色

花びらが落ちて、朽ちていく感じを、いつかうまく詠めるようになりたいです。

0426 花々の命薫りて春深し

いい匂いも、そうでない匂いも、まさにむせ返るような今日この頃。

0427 彼の人の墓を仰ぎて藤の花

句友と某所をそぞろ歩き。山藤をたくさん見ました。亀戸天神のような棚仕立ての藤より、山際を彩り垂れる山藤の方が好きです。

そんな楽しい散策中に結社のメール句会の結果が来たのですが、主宰選も互選も入らないという、大変に残念な結果に。吟行も苦手ですが、兼題も苦手。遅々として進まぬ勉強ですが、これからも精進したいと思います。