2023年暮~12月第4週&第5週まとめ
急に寒くなり、早速風邪を引いております。
西村麒麟先生のエッセイと、結社の会員向けに募集のあった「鶉」30句が載っている『俳句四季』を求めて、久しぶりにリアル書店をさすらった結果、やっぱり(?)紙の本に散財してしまいました。
とてもよかったのはウクライナ人の俳人ウラジスラバ・シモノバさんの句集『ウクライナ、地下壕から届いた俳句 The Wings of a Butterfly』 https://www.shueisha-int.co.jp/publish/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%80%81%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E5%A3%95%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%BF%B3%E5%8F%A5 です。もうロシア語では詠まなくなったという彼女が、ロシア語で詠んだ五七五。外国語で俳句を詠むということ、それを日本語に翻訳するということ、そして、それが俳句という文学の理にかなっていることがよく分かる一冊でした。彼女のウクライナ語の第二句集が出るのを、本当に心からお祈りしています。
【日曜句会】
①かはゆしと言われ育てよ寒苦鳥
②しんがりの吾子に似てゐる鎌鼬
「寒苦鳥」とか、「鎌鼬」とか、想像上の生き物や事物の季語が好きです。
1217 冬の雲はるか富士へと遠ざかる
今更ながら、初めて新しい国立競技場に連れて行ってもらい、 「空の杜」をぐるりと一周しました。とても気持ちよかったです。季節を変えて、また訪ねたいです。
1218 『くるみ割り人形』じみる聖樹かな
翌日が堀田季何先生のカルチャー教室で、兼題が「クリスマス」でした。事務局から送られてきた投句一覧で、たくさんのクリスマスの句を鑑賞しました。
1219 角巻を緩め幽けき光浴ぶ
ターナーの忌日。3句出しで3句とも先生に取っていただき、先生が特選にするならこれ、とおっしゃった句を特選に選べて、早めのクリスマスプレゼントをいただいた気分でした。
1220 聖歌隊ひときわ高き声の出て
2箇月ぶりの朗読教室でした。
1221 冬の月照らす機影の迫り来る
新宿駅に急ぐ道すがらの実景。
1222 冬至来よもらひし柚子の干からびて
冬至。
1223 薬飲み般若湯飲む風邪つ引き
風邪をアルコール消毒、なんて都市伝説?がありますが・・・。
1224 のぼさんの庭去りがたしクリスマス
句友に誘われて、根岸の子規庵初訪問。工事中の仮囲いに、
山茶花や子規の碑に添ひ鮮やかに
なんて句を書き残してきてしまいました。嗚呼。いただいたココアと蜜柑がとても美味しかったです。
【日曜句会】
①室咲の薔薇赤々と勝手口
子規庵の庭には、まだいろんな花が咲いていました。
②よそいきの化粧の道化クリスマス
大人になって、吾が子も大きくなって、クリスマスはなんとなく他人事になってきています。
1225 酔客の列の間に間に聖歌あり
そんなわたしのクリスマス。
1226 下戸として酔客眺む年忘
風邪治らず。
1227 天頂の月冴ゆ終電待つ人ら
突然のハプニングで残業・・・嗚呼。
1228 鍵失くし仕事納の納まらず
前日に引き続き残業。
1229 墓囲ふブルーシートを新調し
ちょっと野暮用で霊園へ。その後、子どもと一緒に映画『ゲゲゲの鬼太郎』を見に行きました。
そのあたりから頭痛に悩まされることに・・・なぜかな?
1230 野菜室空つぽにして小晦日
実景。
頭痛治まらず。
1231 大晦日川面に鈍く映る空
大晦日は頭痛で昼過ぎまでごろごろ。
【年忘れ句会】
買い出しの名残の空は薄曇り
そんなこんなで、2023年も終わり。はっきり言って最悪な1年でしたが、俳句生活は充実していたので良しとします。