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ケアワーカーの日常? 「もう1人いる?」

「あれ?昨日も居ましたよね?」

そんなことを度々言われる。
大概それを言われる時の「昨日」は休日で非番だ。

4〜6連勤することがザラだからなのか、
滅多に連休で居ないことが少ないからなのか、

スタッフもそれぞれ心労が絶えないため、
昨日は誰が居た、一昨日は誰が居たとか細かくは覚えていなかったりするもの。

ただ、
入居しているお婆様との押し問答。
「昨日もそうやって笑わせてくるんだから!」
『???昨日は居ないよ?』
「昨日も言ってたじゃない!チャイコフスキーの話してたでしょ!」

多少なりとも認知症のある方がいらっしゃるので、
スタッフの気のせいと同列に思えるが、

こう度々居なかったはずの自分の事を、
居たと言われてしまうと、いよいよ妙な気持ちが湧いてくる。

自分がもう1人いるのか?
無意識に非番であるにも関わらず施設を訪れていたのでは?いやいやそんなバカな。。

ただ、仮に現れていたとしたもう1人の自分も穏やかな人格なことが救いである。もしも悪さや気の触れた行動をされてはたまったものでは無い。

〜〜〜〜

「ドッペルゲンガー」というやつは、
どうやら出会ってしまうと命を落とすんだとか。

自分が聞いてきた迷信はそのようなのだ。

実は経験がないわけでは無い。

高校時代、朝の集会などで、
全校生徒が行き交う時間、
知ってる顔が大体ではあるが、さすがに交流の無い人間もいる。

そうした中にフッと、
「今、俺が居たような気がする???」と思う人物を見かけるようになった。

あまりに気になっていたので、同じクラスの比較的他のクラスの人間とも交流の輪が広い子に聞いてみた。

『あのさ、○組にさ、なんとなく俺の顔に似てる子居ない?』

少し考えた後に彼は、
「あぁ〜!!いるいる! i のことだよ!」

休み時間だったため、すぐさまそのクラスへ行くことになった。

おのおの弁当を食べたり、仲良い同士で固まっていたりする中、窓際で男子3人くらいで談笑する中に、

俺が居た。、、、もとい、 i 君がいた。

とても似ている。自分が笑った時の顔がそのままといった感じのやや童顔な感じ。

自分よりは高めの声で大らか。
勉強、運動に関しては普通。同じだね。

周囲からの"イジり"も手伝って、i 君とはすぐに意気投合できた。一緒に鈴木あみのコンサートに行くほどの仲になった。

卒業後はi 君も含めて疎遠になってしまったが、
今はどうしているだろう。

i 君に男の子の子供ができて、
そこそこ成長して、自分とある日突然道端で出会ったら、お互いに「あれ??俺が居た??」ってなるかな。

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