ケアワーカーの日常? お誕生日
「○○さんが、誕生日だったので、お祝いしたいんです!動画撮っていいですか?」
「○○さん」は、残念ながら自分の事ではない。
そして、この会話は夜勤の真っ最中に下のフロアからトコトコやってきた若い美人のスタッフちゃんが、
さらにもうひとつ下のフロアで夜勤をなさっている上司のお誕生日をお祝いするべくお願いされている。
小さいケーキを持ち、
今自分が夜勤をしているフロアのもう1人の女子スタッフも連れ添って動画収録がスタート。
ボヤッとした顔でケーキに手を添える俺。
後ろで微笑むもう1人の女子。
そのごくごく自然な様を収録する若手美人。
「ありがとうございます〜!」
そう言って足早にケーキも持ってフロアを後にした。
しばし夜勤業務をしていると、
相棒の女子から「さっきの動画編集して送られてきたよ」と、スマホの画面を見せられる。
さっきのボヤッとヅラと共に、スマホの画面には愉快な音楽が流れている。実に不釣り合いな映像だ。
ほんの一瞬で画面が切り替わると、
そのお祝いの対象である上司がローソクを、
消す?消さない?みたく戯けている。
最後はケーキを片手にニッコリピースサイン。
という形で数秒の楽しげな動画は終了。
「へぇ〜、今はこんなことが簡単に出来るんだね〜すごいなぁ」相棒の女子とそんな事を話しながら動画を観ていた。
動画を観ながらも心のチンケな自分は、
「ん〜....俺にもやってくれたらいいなぁ」などという事を考えてしまう。
そもそも若手美人ちゃんは、日頃から何かと気が利く子であり、そうやって人様の誕生日まで大切にしているわけである。
俺にそういう気持ちが備わっているだろうか?
....面倒い。
....いざやって引かれたら嫌だし。
サプライズを受けないのも納得である。
〜〜〜〜〜〜〜
そういう自分も、
世話になっている先輩の女子に誕生日祝いをしようと何人かで企画したことがあった。
その先輩女子の行きつけのお店を予約して、お花まで準備。同席した何人かで先輩女子を待つ。
到着して早々、荷物を置こうとウロウロしてるうちに隠していたお花を見つけてしまう先輩。
そんなこともあって、自分はサプライズだとかには不向きだと思い知った。
これからもしません。
いつでもお受けすることはします。
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