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【お悩み相談】知識不足はどこから改善する?

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Q 手持ちの知識が少なくて文章に膨らみが出ないとき、どこから手をつけますか?
A キャラの住んでいる家のカーテンを考えるところから始めます。

まずお悩みの内容ですが、あまりにも覚えがある。一オタクには分からないことがこの世にはあまりにも多いですよね。仕事内容(マフィアのボス)とか馴染みのない競技(ロードレース)とか歴史とか……ダントツで辛かったのは「知識の神様」です。不勉強なわたしがどう書いても薄っぺらい馬鹿にしかならなくて泣いてました。周囲の字書きからも同様の悩みをよく聞くので、ある程度はみんな大なり小なり悩んでいるんだと思います。

小説を書く上での手持ち知識の少なさ=己の不勉強は、描く世界を狭めます……ううん、逆かな。勉強は、描く世界を広げてくれます。そこはマロ主の言う「文章の膨らみ」に繋がりますね。

具体例で「キャラクターの職」を挙げてくれていました。
「わたしはこのキャラの●●なところが好きなのであって、業務内容はどうでもいい」……分かります。特に門外漢の業務だと興味を持てないこともある。あと「今わたしはこのキャラの●●なところを深掘りすることに全エネルギーを割くだけの生き物なので、それ以外のことは考えられません」……なんてことにもなりませんか? わたしはなります。オタク、限りあるエネルギーを推しの解釈に全ぶっ込みしがちなので、関心のない業種を勉強することにまでリソースが割けないことがとても多い。

でも、これが「キャラクターの住んでいる部屋」ならどうでしょう? 
戸建てか賃貸か。マンションなら何階か、築年数は? 広さは部屋数は? ベッドはどれぐらいの大きさ? ペットや観葉植物は? インテリアの趣味は? 食事は自炊? 外食? Uber EATS? 家電は? 洗濯の頻度は? 風呂干し? 部屋干し? ベランダ干し? 全自動洗濯機? っていうかどんな間取り?
そういうのは考えるのが楽しいです。自分の生活の延長上に考えられるという点もあるでしょう。取っかかりのあるものは考えやすいですよね。
じゃあその間取りの部屋で生活するのに、そのキャラは年収いくらもらっているんでしょう? いくらもらっていたら、そんな生活は可能でしょう?
キャラクターの業種を知るというのはそういうことだと思います。職とは極論を言えば「どう生きているか」の話なので。

これは自戒込みなんですが、「勉強」って、周囲に関心を持つことなんですよね。
自分の世界の中にある好きなものだけで遊んでいるのは楽だし楽しいんですが、それだと世界はいつまでも広がっていかないし、足りないものにも気付けないし、時も止まってしまうんですよね。自分の部屋に久しぶりにお客さんを招くことになって初めて「このカーテンめっちゃ薄汚れてたな、折角だし、新しいのに買い換えようかな」「っていうかここの小窓にカーテンないじゃん、眩しい」って気付く感じというか。そしていざカーテンを替えてみると、今度はカーペットも新しいのにしようかなと思ったりする。部屋着もちょっとくたびれてるから買い換えようかな、とか。いっそのこと部屋着じゃなくてお出かけ着買おうかな、とか。そうやって自分の世界をより居心地がよく素敵なものに整えていく。ずっと仲のいい友達や、新しくできた友達を招いたりしながら。その人達の好きなお菓子やお茶を用意したりして。勉強って、そういうものだと思います。そのために必要なものなんだろうな、と。

部屋の掃除と同じで、やるのは面倒ですが、やって後悔することはまずないです。なのでもしちょっとでもやってみようかな、と思っているなら、まずは推しの部屋のカーテンを考えるところから始めてみてはどうでしょう? 案外その部屋にもカーテンが足りてないかもしれない。それをつけるところから始めるように進めていけたらいいんじゃないかなと思います。


字書きお悩み相談まとめ
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【電子版】わたくしたちの字書き読本
頒布先 https://booth.pm/ja/items/2022334
概要 https://www.pixiv.net/artworks/80347012


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