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「失敗を語ろう。」 R&AC花松編

このnoteは、マネーフォワード代表辻の「失敗を語ろう。「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと」の出版に合わせた、公式スピンオフ企画です。

みなさん、はじめまして。
株式会社アール・アンド・エー・シー 取締役の花松といいます。
第一回に投稿くださったHIRAC FUNDの古橋さんからバトンを受け取り、
当社の失敗談、僕の学びを語っていきたいと思います。
実は、初noteということもあり、少しだけ会社の紹介をさせてください。

アール・アンド・エー・シーとは

当社は代表の高山知泰さん(以下高山さん)が2004年に創業した会社で、
「入金消込/債権管理」という業務分野に焦点をあてた非常にニッチな事業展開をしています。

月末の入金消込担当者をHappyにしよう!」が合言葉のアツい会社です。
2020年8月にマネーフォワードグループにジョインし、社内はエキサイティングさを増しています!

一方、僕はというと、当社が5期目の2009年に新卒で営業担当として入社しています。
僕が入社した当時から「Victory‐ONEという現在も主力のサービスは存在していたものの、利用ユーザーはまだ20社未満で、これからサービスを広めていこう!というフェーズでした。
当時はホームページや電話でお問い合わせをいただけることは基本なく、
電話が鳴るのは営業電話のみ。

そんな状況下での入社初日、
「まだまだ無名サービスだけど一緒に頑張って売っていこう!よろしく!」
と、高山さん自らが講師を務める新人研修(講習生は私一人)で伝えられ、
僕の営業マンとしての扉が開かれました。

その後、入社してから早12年。
いろいろやらせてもらっている中で、個人としても、チームとしても沢山の失敗をしてきました。
その中でも今回は、私が企画推進したサービスではないですし、メンバーとして呼ばれてもいないのに、勝手にPJにじわじわ絡んでいった「Smart-ONE」という今は無きサービスについてお話させてください。

当時2年目営業マンであった私の目線を絡めて、サービス企画の立ち上がりからクローズまでのストーリーを記載していこうと思います。


新サービス企画立ち上がりの経緯

思い返すと、僕は当時入社2年目。製品説明や提案も板についてきて、少し調子に乗り始めていた頃だと思います。
そんな中、

「新サービスの企画中らしいよ」

こんな風の噂が聞こえてきました。(10数名の規模の会社で風の噂も何もないのですがw)

なにやら、「SMB向けで営業もSEもつかない、その代わりコストを抑えた消込サービスのクラウド版を作ろう」というもののようです。

当時は、入金消込/債権管理の業務が複雑で、入金消込に困っている中堅以上のお客様へ、どっぷり入り込んで提案していくスタイル。こんな環境で2年も営業として身を置いていると、複雑な業務フローを整理して、お客様と一緒に合理化提案を進めることに脳汁があふれ出る体質に変化してくるもんでして、そんな僕にとっては、「ん?営業つかないってどういうこと??」と、頭が「??」でいっぱいだったことを覚えています。

新サービスのコンセプトと名称

主力のサービス「Victory-ONE」を、よりライトな層に、ライトに、スマートに、、smartに、、ということで、新サービス名称は「Smart-ONE」となりました。
業務がシンプルなSMB向けの安価な照合・消込特化型サービスです。

「営業も、SEもつかないシンプルな照合サービス」というコンセプトでしたので、
・お客様が独自で容易に設定できるデータ取込機能を充実させよう
・営業は説明をしない前提のサービスのため、体験デモは解りやすいようにキャラクター+吹き出しを使おう

など、機能拡張が進められていきました。データの取り込み設定等はかなり作り込まれていて、今見ても凄くいい機能でした。

私はこのPJには正式にアサインされていないのですが、当時の開発者の長でこのPJのPMと仲が良かったこともあり、顧客目線での意見を出したり、積極的に絡んでいっていました。

当時を思い起こすと、通常業務+αでしたので大変さもありましたが、圧倒的にワクワク感が勝っていました。

社内にプロトタイプが展開されると、みな興奮気味で、「これ、すっごい売れたらどうする?」「そしたらこの機能拡張して、、、」

と色めきだっていたのを覚えています。

当時営業2年目の僕はというと、「これはもしかして、申し込みが殺到して、皆に臨時ボーナスなんか出ちゃったりして、、、よし!海外旅行だ!」と、浮足立って友人とハワイ旅行を計画し始めていました。

ちなみに、「Smart-ONE」の全体図はこちら

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「Smart-ONE」ついにリリース!

プレスリリースも準備し、ランディングページも作り、Twitterアカウントも作り、準備万全です。
ついに、リリース当日の朝。
「問い合わせ殺到するかな?!」「ちゃんと説明できるかな。」
と営業やSE、みな緊張の中2011年6月22日「Smart-ONE」リリース!!




な、なんと、、無風!!

電話が鳴るのは営業電話のみ。(2回目)

リリース以降、泣かず飛ばず、万年前座、知る人ぞ知る、、という状態が続き結局クローズ。

夢砕かれた感覚がありました。私のハワイ旅行もお預けです。

失敗からの気づき

当時の2年目営業マンの観点で痛感したことは、
「いいものがあっても、プロモーション/営業を実施しないと価値を届けるのは難しい」ということ。

今なら当時とは異なった関わり方ができると思うので、もし、ドラえもんにタイムマシンを貸して貰えて、当時のアール・アンド・エー・シーに戻ったら「Smart-ONE」のスケール担当として手を挙げているだろうなと思います。

気づきからの学び

さて、ここからが本番です。
当時の「Smart-ONE」のPMに擦り寄り、勝手に首を突っ込んでいった営業マンとして感じた気づきは上述の通り、

「いいものがあっても、プロモーション/営業を実施しないと価値を届けるのは難しい」


ということでしたが、

「逆に、サービスのコンセプトや価値をしっかりお伝えできれば、製品化前でも十分にお客様に提案できるのではないか」

とも考え始めていました。

実はこの学びは数年後Victory-ONE検収照合」や「Victory-ONE決済照合を私自身が企画する際に大きな貢献をしてくれることになります。

現在現役バリバリのこの2サービスは、完全なるコンセプト段階にもかかわらずお客様にご契約をいただき、その後製品化に漕ぎつけられています。
そのため当時は未知の業務領域ではあったものの、何とか顧客ニーズから離れないよう必死に食らいつきながらのサービスリリースができたのかなと、今になって思ったのでした。

思えば、「User Focus」を掲げ、顧客視点を重んじるマネーフォワードグループ。当社がグループジョインを発表した日、辻さんが来社し熱く語ってくれたMVVC(Mission/Vision/Value/Culture) がスッと入ってきたのは、このような経験を僕自身してきたからかもしれません。

今後も、挑戦し、失敗し、いろいろなところに首を突っ込みつつ、しっかりと前に進んでいこうと思います。

ちょっと、余談

当時の数少ない「Smart-ONE」のお客様も「V-ONEクラウド」リリース後はそちらへと移行いただき、永く利用してくださっています。
このような新たな取り組みを応援して、後押ししてくれるお客様はやはりいらっしゃるんですよね。
目の前の業務提案だけじゃなく、「サービスや会社の未来もお客様と共有する」ということの大切さを教えてくれたのも「Smart-ONE」でした。

 みなさま、当社と「V-ONEクラウド」をこれからも、よろしくお願いいたします! 

興味を持っていただけた方は、是非本編も読んでいただけますと幸いです。

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