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実況というものは面白い。 リアルタイムで繰り出される言葉の中には、名言と呼ばれるものがある。 例えば、オリンピックのアテネ大会。 体操男子団体で金メダルを獲ったとき、NHKの刈屋富士雄アナウンサーが放った 「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」 は、冨田洋之選手がピタッと着地を決めた瞬間が、自ずと頭に浮かんでくる実況の名言だ。 こういった名場面にふさわしい一言は、素人になかなか言えるものではない。 だが、今や世界中の人々が、実況中継さながらに
私は結婚して23年になるが、未だ賃貸暮らしである。風来坊で宙ぶらりん。「ここに骨を埋めるぞ!」なんて覚悟もなく、これまで暮らしてきた。 「北海道で暮らしたい!」 「沖縄で暮らしたい!」 私はそういった夢を持ったことがない。 旅先で好きになった町はたくさんある。でも、訪ね歩く魅力と、住んで感じる魅力は、やはり異なるものだ。 どこで、どうやって暮らそうか。 そういうことを考え始めると、私は途端にしんどくなってしまう。家を買い、マンションを買い、暮らす場所を決めること