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私には反抗期というものがなかった。 父親が年中反抗期状態の飲んだくれだったので、その上私まで反抗したら、母があまりにも不憫だと思ったからである。 しかし、そんな私にもやりきれないことはあるのだ。 ある日、母と言い争った末、私は財布片手に家を飛び出してしまった。 当時、高校二年生。 季節はまだ暑さの残る9月頃であった。なぜ、そんなことを憶えているかというと、その日珍しく私は膝丈のズボンを履き、青いダボダボのTシャツを着ていたからである。 そのとき私は学校に向