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こうしてあれこれエッセイやら小説などを書いていると、世の中には才能あふれる人がたくさんいるという事実に直面することばかりだ。 上を見たらキリがない。 わかってはいるものの、ついつい上を見て、首が抜けそうになる。 自分には書けないような、素敵な文体を見ると、 「あー、すごい。うまいなぁ」 などと思う。 文体だけではない。 ミステリー、ファンタジー、SF、時代もの、怪奇もの、青春もの。そんな数々のジャンルを書ける人が、プロだけでなく、アマチュアの書き手にも多
今年もクリスマスが終わった。 長年、夫婦二人でクリスマスを過ごしていると、余程のご馳走でも揃わない限り、そうそう盛り上がるものではない。 私はワインが大好きなので、クリスマスになると決まって、ワインを水のように飲み、パスタを食らい、チキンをかじり、またワインを水のように飲むという、イエスが見たら呆れるような、飽食のクリスマスを送っていた。 しかし近頃、寄る年波か、ご馳走を食べてもいい日に、何を食べたらいいのかわからない、という情けない状況に陥っている。 元々、大
私の夫は、目薬をさすのがうまい。 まるでCMのように、一回で目薬を瞳に命中させている。外しているところを見たことがない。その命中率は、まさに名人の領域である。 それに引き換え、私は目薬を指すのが下手だ。 2階からさしたのかと言われかねないほど、薬液は私の目からことごとく外れていく。そんな妻を見て夫は言う。 「目薬を1本使い切る勢いだねぇ」 私も常々、こんなに目薬を無駄にしていては、もったいないと思っていた。私だって、できることなら夫のように、一回で目薬を瞳に命