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気がつけばもう三月。 身が縮むような寒さも、ようやく底が見え、あとは気温も上がるばかりになりそうだ。 そのことに私は心底ホッとしている。 これでしばらくは、就寝時の足先の冷えに悩まされることはない。本当に助かる。ありがたい。 あれは確か、寒風吹きすさぶ、昨年末のことだった。 「なぁに、やってんだっ! このバカちんがぁ!」 夫がやおら起きてきて、開口一番、私を叱り飛ばした。 バカちんの元祖である武田鉄矢でも、起き抜けに、これほど軽妙な 「バカちん」 を発
夫が起きてきた。 いつもより早く起きてきたような気がしたので、 「あれ、今日7時半に出るんじゃなかったっけ?」 と私が言うと、 「なぁに、すっとぼけたこと言ってんだ、このバカちんがぁ!」 と、夫から軽快なお叱りを受けた。私は出勤時間を誤って記憶していたのである。 「バカちんがぁ!」と勢いよく言われ、一瞬、テツヤが来たのかと思った。もちろん、小室ではなく、武田の方だ。私の誤ちが夫の中に眠っていた武田鉄矢を目覚めさせてしまったようである。 鉄矢が目覚めたとなれば