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私は緑茶が好きだ。 一煎目、二煎目はとてもおいしい。しかし、三煎目になると、その味わいや風味が、少し怪しくなってくる。飲めなくはないが、何だか心許ない味になる。 正直、美味しいとは言えないのだが、二煎飲んで捨ててしまうのも忍びないので、我が家では一応、三煎目までは飲むことにしている。 春分の日の夕方、夫が既に三煎目を飲み終えた急須に、またお湯を入れた。それをマグカップに注ぎ、飲みながら言う。 「うーん、出がらし一号だ」 確かに、四煎目の緑茶は出がらしに違いな
気がつけばもう三月。 身が縮むような寒さも、ようやく底が見え、あとは気温も上がるばかりになりそうだ。 そのことに私は心底ホッとしている。 これでしばらくは、就寝時の足先の冷えに悩まされることはない。本当に助かる。ありがたい。 あれは確か、寒風吹きすさぶ、昨年末のことだった。 「なぁに、やってんだっ! このバカちんがぁ!」 夫がやおら起きてきて、開口一番、私を叱り飛ばした。 バカちんの元祖である武田鉄矢でも、起き抜けに、これほど軽妙な 「バカちん」 を発