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自宅に友人を招待したと仮定する。 楽しく呑んで食べて飲み会もお開きとなり「じゃあ、またね」と言って、玄関先で友人と別れる。片付けをして、布団を敷いて、歯をしっかり磨いて、就寝。 朝になり、少し飲みすぎちゃったかなぁ、なんて思いながら、顔を洗おうと洗面所に行くと、昨夜玄関先まで見送ったはずの友人が、 「あ、おはようございます」 と言って出てきたら、普通の人はどう思うだろう。思わず、 「お前、昨日帰ったよね? なんでいるの?」 という言葉が口をついて出てくるは
「おはよう」 夫が起きてきた。 私も「おはよう」と優雅に朝の挨拶を返すつもりで振り返ったのだが、夫の姿を見て「おはよう」を言うことが出来なかった。そのかわりに私の口から飛び出したのは、 「すごい!」 の一言であった。 夫は私の一言に「何が?」と言い、眩しそうに目を細め、まぶたを小刻みにパチパチさせていた。Tシャツに手を突っ込んで胸をポリポリ掻き、雷に打たれたかのような寝癖の髪が天上に向かって立ち上がっている。 そして全体的にしっとりしているのだ。 「炊きたて」
赤しその出回る季節である。 赤しその時期になったら、赤しそシロップを作りたいと思っていた。赤しその鮮やかな赤い色は、私の大好きな色だ。好きな色を食べたり飲んだりできるなんて、艶かしく魅惑的な気がして、何だかワクワクする。 シロップ作りのための食材を準備し、さぁ作ろうとレシピを見返していると、赤しその葉を煮出す時、一緒にひとつかみの青しそを入れると、爽やかな風味が増して美味しくなると書かれてあった。 私は赤しそと砂糖とリンゴ酢さえあればできると思いこみ、青しそを