見出し画像

母の事

母は6年前に亡くなりました。
骨髄性異形成症候群という病気でした。
人間の血液は背骨の中にある骨髄で作られて、体全体に血が巡るのですが、
作られる血液の量が少なくなってしまう病気です。

母はもともと体が弱くて、家の中で洋裁を楽しんでいる様な主婦でした。
物静かで色白でシミ一つないすべすべお肌な、娘の私が言うのもなんですがきれいな人でした。
全力で走ってるのは見たことがないです。

あ、でも私が小さい時に私を乗せて自転車をこいでたら、転んで大けがしたと聞いたことがあったっけ。。
子育て頑張ってくれてたんだと今更感謝しています。

体調が変だなと思ってはいましたが、疲れがたまっているのだろうと思い、
行きつけの整骨院でマッサージをしてもらったり、体力つけなくちゃ!と言って、少し歩いてみたり、自分なりに対策していたようでした。

でもある朝、家の階段が上れなくなってしまったのです。
膝がガクガク震えて、足が上がらないと。
あわてて近所の病院に行って診察を受けました。
念のため血液検査もして、結果は1週間後お知らせしますといわれて帰ってきました。
ですが翌日、病院から連絡が来ました。
見たことない数値なので、すぐに大きな病院に行ってくださいと。
血液がほとんど作られてなくて、数値がゼロに近かったのです。

大きい病院に入院して、色々検査をしました。
先生から病気の説明があるというので、
母に付き添って私が聞きに行きました。
図に書いて、わかりやすく、ゆっくり説明していただきました。
私は母に、大丈夫だからね、と背中をさすることしかできませんでした。
そして説明を聞いているうちに、母は気が遠くなって気絶してしまったんです。
そしたら、先生がお姫様抱っこで病室まで連れて行ってくださって。。
母は、あとから看護婦さんたちから聞いたみたいで、みんなで大笑いしたのよ(笑)と教えてくれました。
「○○先生って、お姫様抱っこするんだー☆」って盛り上がったみたいです。
先生や看護婦さんたちには本当にお世話になりました。

入退院を繰り返して、一度は寛解まで行きました。
もともと体力がないので、このまま低空飛行で
長生きしちゃうかもよ~なんて言ったりもしていました。
でも、あるときガクッと体調を崩してしまいました。

そこから、また入退院を繰り返しましたが
熱はなかなか下がらず、少しずつ体力がなくなって、口から食事もとれなくなり、最後は点滴で栄養を入れるようになりました。

亡くなった直後は、もっと何かしてあげられたんじゃないかと悔やむ日々が続きました。
今も時々、相談したいことがあると仏壇に向かって話しかけています。
一度でいいから返事が欲しいものです。。

今を大事に生きないといけない、ということを忘れないで日々過ごしていきたいと思います。
明日どうなるかは、誰にもわからない。
今日を大切に過ごしましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?