二匹の猫と楽しい毎日-12(<そら>ちゃんギブスをはめる)
【前回】<そら>がバルコニーから落ちた。
<みかん>がバルコニーの縁で「ミーミー」ないているので、下を見たら道路に、<そら>が落っこちていた。
僕はすぐに部屋を飛び出し、裸足で道路に飛び出て、<そら>を抱いて部屋に戻った。
<そら>は鼻をうったらしく、鼻血を出していた。
妻に言ってタクシーを呼んで、すぐに動物病院に駆け込んだ。
<そら>は「フーフー」と鼻息をだしていた。
電話をしていたので、先生はすぐに<そら>を診てくれた。
先生は<そら>の体を手で触りながら様子を見ている。
そしてレントゲンを撮った。
暫くして、診察室に呼ばれた。
「顔から落ちたので鼻をうって血がでてますが、頭は大丈夫です」
先生はレントゲン写真を見ながら説明した。
「よかった」
妻と一緒に思わずため息が出た。
しかし先生は、不思議そうな顔をして尋ねた。
「何階から落ちたのですか」
「三階です」
「三階ですか?・・・珍しいですね」
先生は黙って、<そら>を見た。
「何がですか」
「普通、猫はマンションの三階くらいの高さだったらうまく飛び降りられるはずですが」
「ええ」
先生はレントゲン写真を指しながら「前脚の骨が折れています」といった。
「えっ!」
僕も妻も驚いて思わず声が出た。
三階のバルコニーから落ちたのだから、普通の家だったら二階の屋根から落ちるようなものだ。その程度の高さから猫が飛び降りるのは珍しくない。
というか、その高さから落ちて脚の骨が折れるとは思わない。
確かにレントゲン写真で<そら>の前脚は折れている。
二人で<そら>をの顔を見た。
さっきは三階から落っこちて気が動転していたのか、ボーとしていたが、今は元気を取り戻し、ケージの中で「シャー」と怒っている。
その後、待合室で待っている間に、<そら>の治療が終わった。
<そら>は腕にギプスをつけてケージに入れられて出てきた。
「<そら>ちゃん、たいしたことがなくて良かったね」
妻がケージの中の<そら>に声をかけた。
<そら>は大きく口を開いて、<シャー> と応えた。
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