二匹の猫と楽しい毎日-16
【前回】<そら>ちゃんが下手なので子供は期待出来なかった。
いつも行く獣医さんに相談して去勢することにした。
雄だけかと思ったが雌も去勢しないとストレスが溜まるので両方を一緒にすることになった。
去勢手術は簡単に終わったが、猫は疲れたらしく家に帰ってくるとひたすらに眠っていた。
雌猫の去勢は外からは判らないが、雄猫の去勢は外からも少しわかる。
「○○がしぼんでいた」
<そら>ちゃんは、心なしか気落ちしているように思えた。
思わず自分の股間が確かにあるのをそっと触って確認した。
同じ雄としても心底から同情した。
数日で包帯をとると、猫は自分の股間をなめていた。
何か違和感を感じたのだろう。
それまで、<みかん>を追いかけていた<そら>もあまり追いかけなくなった。
といっても全く追いかけなくなった訳ではない。
しかし、手術前のように上から覆い被さって<みかん>の首を噛んだりはしなくなった。
「あなたも<そら>ちゃんぐらいエネルギーがあればいいのに」
妻のひと言に思わず下を向いた。
あえて弁解すると<そら>ちゃんは朝から晩まで<みかん>を追いかける事くらいしかすることがない。
だからエネルギーが有り余るのも当然の事。
私が結婚したのはバブルが弾けていたとはいえ、まだ夜遅くまで仕事や接待があった。
六本木や西麻布で深夜まで飲んでタクシーで1万円以上払っていた。
・・・といっても会社の金だが。
友人とも夜遅くまで飲んで歌って、踊っていた。
そして休日でも呼び出されることも多く、いつもストレスを抱えていた。
それは僕だけではない。
疲れて帰ってきたら、とにかく横になりたかった。
当然「○○」をする元気はない。
不意に何かの拍子に「○○」をすることもあったが。
話がそれたが、<そら>ちゃんは手術を済ませて暫くして元気になった。
ただ、後ろから乗っかることは殆どなくなった。
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