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二匹の猫と楽しい毎日-13(マンションから一軒屋へ)

【前回】<そら>ちゃんが病院でギブスをつけてもらい我が家へ帰った。

1.ギブスを脚につけられた<そら>ちゃんが家に帰ってきた。


脚が痒いのか、その脚のギブスを歯で少しずつ剥がしていった。
そこでもう一度病院に行くと、エリザベスカラーをつけられた。
そして<そら>ちゃんはギブスを噛めなくなった。

エリザベスカラーをつけた<そら>ちゃん

その日夜、「コンコンコン」と何かを叩く音で起こされた。
キッチンに行くと<そら>ちゃんが、ギブスをはめた脚をフローリングの板に叩きつけていた。
多分痒いのだろう。

僕も小学校の時、腕の骨を折ってギブスをしていたとき、その中が痒くなって困ったことがあった。医者に言うと「すぐなれますから我慢して下さい」としか言われたが、なかなかなれなかった。
しょうがないので漫画を読んで気を紛らわせた。

しかし猫にそんなことは出来ない。
夜中に「コンコン」と音を立てられると、きっと近所から苦情が来ると思い、その晩は<そら>ちゃんを抱っこしてあやした。
おかげで僕は殆ど眠れなかった。

翌日獣医さんに相談してギブスを音の出ないようなソフトな素材でくるみ、ケージの中に入れ、外に音が漏れないようにケージにタオルを掛けて寝させることにした。

2.幸い、約ひと月で<そら>ちゃんのギブスがとれた。

しかし<そら>ちゃんがバルコニーから落っこって骨を折り、ドタバタとしている間に、マンションの家主に2匹目の猫がいるのがばれてしまった。

それでも家主さんは黙認してくれていた。

しかし猫を飼い始めて1年にもなると<発情>してくる。

<そら><みかん>はそれまでの追いかけっこから変わり、<そら><みかん>に抱きつくようになった。
問題なのは本来、猫は交尾の為背中から抱きつくはずなのだが、何故が二匹は正面から抱き合うことが多かった。


そらとみかん

無論、ときどき猫らしく<そら>が後ろから<みかん>に噛みついて迫ることもあったが上手くいかない。

もしかして<飼い主>を真似しているのか・・・と思った。

やがて猫たちは大きな声で啼くようになった。
発情がさらに強くなったのだろう。

そのうち、マンションの他の住人からクレームがくるのも時間の問題だろうと思った。

3.僕は、マンションの家主さんには「今、引っ越し先を捜している」と伝えた。

(1)色々と物件をあたったが、結局マンションでの多頭飼いは無理がありそうなので、かなり遠くの古い一軒家を借りることになった。
おかげで通勤時間が30分から1時間余となってしまった。

駅から遠い中古の一軒家

<そら><みかん>は相変わらず、追かけっこをし、抱き合っている。
「妻は二匹の子供が欲しい」
というが、なかなか難しい。

新たに借りた家はかなり古く田畑の近くにあったので色んな虫が入ってきた。

(2)あるとき、寝ていたら不意に<そら>がタンスの上から、僕の足の上に飛び降りた。
驚いて起き上がったら、<そら>が何かを咥えている。
電気をつけてよく見ると、おおきなムカデだった。

ムカデ

「<そら>が刺されるから、なんとかして」

妻が大きな声で叫んだ。
僕だって刺されたくないので手で取るわけにはいかない。

そのときひらめいた。

我が家の猫は掃除機が大嫌いだということを!
僕は掃除機を取り出しスイッチを入れた。

<そら>はその場にムカデを吐き出し、すぐに逃げ出した。
僕はすぐに掃除機でムカデを吸い込むと、吸い込み口から殺虫剤を噴霧した。
そして、掃除機のゴミの入ったパックを取り出しビニールで封をすると、庭に放り投げた。

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