二匹の猫と楽しい毎日-15(思春期の終わり)
【前回】猫が発情しスプレーをするようになり、子供を期待したが・・・。
<みかん>が<そら>に迫るが、なかなか上手くいかない。
ときどき<そら>が後ろから抱きつくが、結局うまくいかない。
そんなときは<みかん>が怒って、<そら>を睨み付け、部屋の隅まで追い込む。
<そら>は両手をあげて半立ちになる。
「ごめんなさい」のポーズ
それで<みかん>は怒って猫パンチ。
・・・きっと「下手くそ。死ね!」といっているのだと思う。
<そら>も「シャー」と口を開けて応戦するが、すぐに逃げ出す。
可哀想なので抱き上げて慰める。
「飼い主に似たからしょうがないよな」と語りかけた。
そんなことが暫く続いたが、家の中にビニールを貼ってスプレーよけをやるのも嫌になってきたし、いつも上手くいかず喧嘩をする二匹が可哀想になった。
僕はまだ<そら>と<みかん>の赤ちゃんを期待していたが、妻はあきらめたようだ。
そして<去勢>することになった。
「飼い主に似たのね。あなた下手だから」
と<そら>に向かっていった言葉は僕の心臓にグサッと突き刺さった。
我が家も子供が出来なかったが・・・僕が原因なのか、妻が原因なのかはわからない。
確かに・・・いつも仕事で疲れて帰るので、夜は盛んだとはいえないが。
・・・やはり飽きてくる!
若い女性が相手なら、もしかしたら出来るかも・・・と一瞬思った。
・・・が、その後の事を考えたら、そんな思いはすぐに消えてなくなった。
その夜、僕は<そら>をそっと抱きしめた。
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