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模写の風景 画家の心 第8回「福田平八郎 立葵 1957年作」

 福田はこの絵を描くとき、琳派の尾形乾山の「立葵」を大いに意識したそうだ(模写は一部)。乾山の絵に似ることなしに葵の屹立した感じを出したかったのだろう。日本画法から離れるために花と葉に太くて黒い線で囲った。色と線がいい感じに仕上がった、と福田自身が述べている。
 もし、いま話題の生成AIで乾山に似た立葵を書いてくれと頼んだら、その中にこの一枚が含まれていないだろうか。
 筆者の模写は、背景を水彩画の垂らし込み技法で青と茶色に色づけた。初夏の空にすっくと立つ姿が表現できたのではとほくそ笑んでいるが、この絵も生成AIが描いたものに含まれるのだろうか。

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