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幻の椿
花:椿(玉の浦)
器:木村硝子
戦後間もない頃
炭焼きのため山に入った人がとても美しいヤブツバキを見つけました。
その椿には白い覆輪のような縁取りがあります。五島列島のその町の名前から「玉の浦」と名付けられました。
数十年程時を経て品評会に出展されるや否や、その美しさのためあっという間に有名になりました。
しかしそのため枝も根も多くの人に採取され、最後に原木は裸同然の姿で枯死してしまったそうです。
その姿に惚れこんで庭に植えた椿の初めて知るその由来に、こうべを垂れた春の雨の日でした。
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