これからの結婚制度に期待すること

令和2年となった今も
明治民法で規定された"女性は結婚すると無能力者となる"的な社会からの圧力を感じずには居られない。
だから私は結婚しない、現状のままなら子供を産むつもりもない。

ただし、私が今後出産、育児について充分な経済力を得て且つ未婚家庭であっても差別されることのない社会の環境まで整ったら私生児として出産するならありだ。

と発言して

保守的な母と大喧嘩になり、

2日経った今も口を利かずに過ごしている(笑)

と、ここまでの文面だけでも物凄く尖ったことばかり言っていたが、ちょっと待てよと冷静に考え直してみた。

女性が経済力を持って、
精子バンクを利用して欲しい遺伝子を選んで出産し、
ベビーシッターを自由に雇いながら社会活動も自由に行える
を突き進めていくと、
女児が生まれなかった場合、
何千年も受け継がれて来た私の一族の遺伝子のバトンはその代で淘汰される可能性がある事に気がついたのだ。

明治以降の政府のやり方だと

男性に労働分野を担わせて、女性は無能力とすることで自力で選択する力を奪い一夫一妻制で男性の経済力に依存せざるを得なくした。

結果、男性は労働において
本来もし一人暮らしであれば行わなければならない家事分野を女性(つまり主婦)に行わせることで
家庭内での労働を行わない代わりに
経済活動としての労働分野で200%の力を発揮して経済成長に貢献することが出来た。

その反面、
女性は選挙権が奪われ、教育が奪われ、労働が奪われ(つまり収入が得られなくなる)た。

当時女性が行う専門分野とされた家事労働は、
「結婚したのだから当たり前」を理由に
もしも本来職業として同じ事を行えば給料が発生する
料理、掃除、洗濯、育児、介護を全て無償で請け負わなければならなかった。

そんな時代も移り変わり、
女性の選挙権は1945年に認められ
女性の育児、出産後の経済活動もようやく認められてきた気がするけれど

令和2年となった今現在も
女性の国会議員の少なさ、
女性の役員や管理職の少なさ、
同一労働に対する男女の賃金格差はまだまだ多く、
まだまだ女性側の我慢や負担ばかりの社会であるように思えるのが現状だ。

右に挙げただけでも、
少なくとも20世紀の日本社会は
女性の人生の時間をこうやってずーっと搾取し続けてきたのだから

今度は性交渉をごく一部の優良な遺伝子を持つ男性(イケメン、高知能、運動神経の良さなどを保有する男性と定義する)のみ体験できるものとするような、
それ以外の男性が壮大な我慢を強いられる時代が来たって自業自得じゃないか。
女性に経済力と配偶子の選択権があることで、男性が上記のような壮絶な生存競争にさらされて淘汰の恐怖を毎日味わい、虐げられる時代があったって良いじゃないか。

とか一瞬思ってしまったけど
もしそれが自分の家族がそんな目に遭うとなったら、
そんな残酷な発想は論外だ。

私にとって大切な家族が、
過酷な生存競争にさらされて日々自尊心を傷つけられるのは見ていられない。
男兄弟や子供が幸せな人生を送ることができることを私が望むように、
他人にとっての家族も同じように大切な存在で、幸せであって欲しいと望まれる存在であるのだから

女性が自由に経済活動を得て、
女性のみに出産と育児について選択権があるような社会は

男性にとってだけでなく女性にとっても
長い目線で見るとディストピアなのではないかと思えてきた。

そうなるとやっぱり一夫一妻制は続けた方が良いのかもしれない。


であれば今度は
現状からどの部分が変化したら男性、女性が互いに歩み寄り共存していく中でより心地良いものになるか考えたいと思う。

現状に対する不満について、
26歳で未婚で出産経験のない私から見て何が嫌で結婚したくないかと言えば

①少なくとも今現在の日本では家事、育児は女性がやるものという価値観が強く、男性が一切やらないことが多い。結果、経済力で依存したくないなら働いてもいいけど家事も育児も引き受けろ。と、女性に結局家事育児分野の負担が全てのしかかってくる。

②妊娠期の通院費用、育児休業期間の財源が自己負担

③産後の長期育児休業が女性のみで男性は取らないため、社内での出世に差が付きやすい。2人の子供なのに、男性の育児休業が長くて1ヶ月というのは納得がいかない。

つまり結局、明治民法の頃から基本スタンスが変わってない。家事育児を共同で行うという環境が整っていない。結局女性ワンオペ家事・育児であるように思えてならない。


以上、現状に対する不満から今度は
そこで、こうであって欲しい、を書いてみたいと思う。

❶国民意識として

初等教育段階から男女の性別分業の概念は取り除き、カップル別に労働分野、家事分野、育児分野で負担の偏重がないように話し合いが行われて、自分の得意とする分野をそれぞれが納得する形で分担し合うことが出来るよう指導して欲しい。

❷企業の育児休業に対する考え方として

企業が企業活動の効率を最大値にするためだけに、少しでもコストカットできる、搾取できる部分を探し出して利益を上げるスタンスをやめてほしい。長期的に安定性を持って発展していける社会への貢献をコンプライアンスとしてしっかり定着させて欲しい。つまり何が言いたいかというと、育児休業中も基本給分の給与を支払って欲しい。もしくは国の補助として、その分は企業に税金投入して欲しい。更に女性の育児休業は半年でいいから男性の育児休業も半年は取れる環境を整備してほしい。

この部分が解決するなら

今現在女性が1人で請け負っている育児負担を減らして、
男性にも請け負って欲しいという希望も
男性の"自分の直系の子孫が欲しい"という希望も満たされて
本当の意味で互いの幸せのために妥協点を探して、歩み寄りあって男女が共同して参画できる社会が実現するような気がする。

そんな社会になったら
私だって結婚するし、出産もするし、結婚相手の男性のことも自分の子供のことも大切にするわ。

今の政治家や、権力のある方々には

「いい歳こいて結婚しないなんて人間として欠陥がある」
みたいなイデオロギーを社会に敷いて、
「結婚しなきゃいけないんだ!」みたいな不安感を煽るやり方や、
「旧世代価値観ではこうだったんだから」
「みんな我慢してやって来たんだから出来るはず」
っていう非合理的で訳の分からない強制をやめて、

国民が主体的に結婚したくなるような、
家事育児に取り組みたくなるような体制を作る方向に持っていけるようなリーダーシップを発揮して欲しいと思う。
今まではなんとか持ち堪えてきた(悪しき)旧体制も、価値観が急速に移り変わる時代では通用せず、
また時代の流れについて行けない国は廃れるしかないのだから。