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不登校から海外留学へ 

高校2年生で不登校→中退


私は高校2年生2学期が始まる頃、不登校になりました。原因は周りが進学校で次々と進路を決めていく中、私は何がしたいのかふと考え始めたような些細な事でした。

私の高校は半分ほどの学生が医学部に進学することの多い進学校でした。
私自身も入学した当初から医学部に行くのだと当たり前のように考えていて、高校に入学してからは夏休みも関係なく睡眠3-4時間で基本的に勉強漬けの毎日。
誰に言われたわけでもないのに、必死で偏差値の高い医学部に行くのだとひたすら勉強しました。


何がトリガーになったのかはわからないのですが、突然「あれ、私本当は将来何したいんだっけ?」と思いました。

それまでは医学部面接練習では具体的な話をしながら人の命を助けたいと話していました。

でも少し客観的にいざ考え始めると、自分が偽善的に感じる事が多くなっていきました。
私はいつも少し考え始めると答えが見つかるまで固執してとことん考えます。

「自分が本当に何をやりたいか」なんて普通に考えればまだ社会でほとんど働いたこともない高校生には見つかりようがない気がしますが、その当時16歳だった私は「自分って何してるんだろう」「将来のことが決められない」とか色んなことを考えすぎてどんどん眠れなくなっていきました。

不眠症になり、だんだん登校が遅れ、授業についていけなくなり、勉強や人間関係に関しての不安がより増えて、不眠症が酷くなりの繰り返し。。。
結局高校2年の最後はほとんど不登校になり、高校3年生の時に中退をしました。

私よりもっと辛い経験をしている人ももっといると思いますが、私にとってはとても大きな挫折でした。

中退した後は世間の目をすごく気にするようになりましたし、家に引きこもってばかりいて、「誰も私のことを知らないところに行きたい」とよく話していたようです。

そんな時、母が2週間カナダに語学留学行ってみないかと勧めてくれました。
何とか家に出るきっかけがないかなと思いつつ、人の目が気になり中々一歩を踏み出せない私に両親は経済的にも負担がかかるであろう留学を勧めてくれ、私はカナダに行ってみることにしました。

カナダへ語学留学

カナダへの一歩は私の人生を大きく変えるものとなりました。

2週間カナダにいる間は五人家族のホストファミリーの家に滞在させてもらいました。
午前中は語学学校に通い英語のスピーキングや発音のクラスを取ったりして、午後は語学学校が連れて行ってくるプログラムに参加することもあれば、一人でブラブラ街を歩く日もありました。

2週間でしたが、初めて一人で海外に行き、日本との違いを色々と感じました。

  1. 好きな授業を取れる

  2. 色んな意見が尊重されるし、英語が上手くなくても言いたい放題!年齢も人種も関係ない🌈

  3. なんだかもっと楽に生きていいみたい!やりたいことをしよう。後悔のないように。

好きな授業が取れる

語学学校ではまずレベル分けテストを受けて、それからプログラムを組んでいきます。
生徒が200人くらいいたのでレベルごとにみんな同じ授業なんだろうなと思っていたら、一人一人カウンセリングして、何を勉強したいか聞いてくれます。
わたしは2週間しかいないので、友達ができそうなクラスがいいなというのと折角なら少し新しい学問も!とconversation (会話)、discussion(議論)とpsychology(心理学)なんかを選んだ気がします。
海外は高校も必須科目はあるものの、自分が興味のある学問を勉強できる!それはその当時のわたしにとって「勉強は安定した仕事を将来的に必要不可欠」とすべてがMust(しなければならない)と思っていた私にはなんだか新鮮だったのを覚えています。しなきゃいけないじゃなくて、新しいことに興味を持たせてくれる機会になったと思います。

いろんな意見があっていい!

私が取ったディスカッションのクラスも10年前なのに、未だに記憶に残っています。
トピックはいきなり「宗教」や「死刑」についてととても重いトピックでした。
そのクラスは日本人一人だったので、日本の宗教について聞かれましたが、「無宗教」と話すと「Why?」とか「日本人にとって禅とは」とか色んな質問が飛んできて、わたしは結局ほとんど答えれなかったのをよく覚えてます。

私は17歳で中退して語学学校に来ていたので、一番年齢は若く、クラスには40代の人もいましたが、年齢関係なしに質問、意見をビシバシ言われる。でも相手を否定しないような議論で嫌な気にならなかった。それがとても不思議でした。また日本のことを学校で今まで日本史、世界史と自分ではかなり学んだつもりだったけれど、周りと比べるとあまりうまく話したり出来なかったのですが、別に話を遮るでもなく、ゆっくり話を聞いて反応してくれました。
私が間違った英語を使ってもすぐに優しく指摘して、次間違えなければGoodjobと言ってくれる。それも新たな感覚で、間違えたら指摘し、すごいと思えば褒めてくれる。わたしは何でも思ったことを抱え込んでしまうけれど、「相手に対して思いやりを持って正直に話す」というのも大事だなと本当に思いました。


また他の国から来た人は自分のこと・自国のことをはっきりと話せます。「こういう意見を自分は持っている」と言えることが当たり前でした。それも私には無いものでした。「私はあまり何も考えたことなかったなぁ」とポロッと言うと、「今から考えればいいじゃない」と20歳くらいのタイ人の男の子に言われました。

出来ないこと、知らなかったこと、やったことないことを恥じたり後悔するよりは、自分の考え方を変えた方がいいと気づいたり、他人の意見をもっと受け入れてみるとか今気づいたことを今からやった方がいいと17歳の私は思いました😊

もっと楽に生きよう!後悔しないように!

たった2週間の海外留学は私に「楽に楽しく生きる」方法を教えてくれました。
不登校、中退も周りから見たら汚点かもしれない。でも中退したおかげで、海外留学という一歩を踏み出したおかげで、自分の中退は失敗ではなくて、これからまた「新しい自分」を作るための一歩だったと思うようになりました。

私はその後時間を掛けて心身共に回復していき、高卒認定を取り、海外の大学に留学をしました。
人より時間は何倍も掛かったけれど、「中退」は失敗ではなくて「次の人生へのステップアップ」だと思っています。

#一歩踏みだした先に

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