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ハイキングの翌日にイボができた それってマダニかも

◆マダニは一見、イボかホクロ

野外レジャーや農作業のあと、
昨日までなかったイボを発見したら要注意です。
マダニかもしれません。

普通のダニは1mm程度の大きさですが、
マダニは3mmから1cmの大きさがあります。
米か大豆の大きさと言えば、その巨大さに驚くことでしょう。
人に食いついた場合、虫には見えず、あたかもイボかホクロに見えます。

(参考文献より引用)

◆2週間、血を吸い続ける

マダニは野生動物に寄生して生息し、山林や河川敷の草むらに潜んでいます。

人間が通ると、まず服にくっつきます。
その後、もぞもぞとはって人肌に到達します。
口から麻酔物質を出しながら、皮膚に噛みつくため、痛みは感じません。

驚きなのは、数日から2週間、くちばしを刺したまま、血を吸い続けます
なんと欲張りなのでしょうか。

その間、3mm程度のマダニは、ぷくぷくに肥えて1cmの大きさになります。
腹いっぱいになったら吸血をやめ、どこかに行ってしまいます。

◆マダニは引っ張らずに皮膚科へ

マダニは茶色~灰色をしており、吸い付かれるとイボかホクロに見えます。
よく見ると根元から手足が出て、モゾモゾ動いているのが観察されます。

食いついたマダニは、無理に取ってはいけません。
マダニをつまむと、スポイトの原理で、腹の中のものを注入していまいます。

また、引っ張ると、くちばしを皮膚に残してちぎれてしまいます。
皮膚科で、食いついた皮膚を含めて切除してもらいましょう。

「マダニがくっついているのですが、皮膚ごと切除してもらえますか?」と電話で確認するとよいでしょう。
「手術しなくても取れますよ」と言われる皮膚科は少し不安です。
「手術できますが、予約が1週間待ちです」の皮膚科も避けたいです。

自宅でできる方法に、「ワセリンをぬる」があります。
マダニは口で息をしておらず、体の空気孔から呼吸をしています。
ワセリンをたっぷりぬれば、窒息して死んでしまいます。

ワセリンがなければ、どんな軟膏でも代用できます。
オリーブオイルでもいいかもしれません。
マダニがとれても、念のために皮膚科を受診しましょう。

◆数日後、熱が出たら要注意

マダニにかまれると、稀にウイルスや菌に感染することがあります。
重症熱性血小板減少症候群、ライム病、日本紅斑熱などが有名です。

2日~2週間の潜伏期間のあと、発熱、お腹が痛い、嘔吐、下痢、筋肉が痛い、関節が痛い、などの症状が出ます。

マダニに噛まれたからといって、こんな病気になることは滅多にありませんが、注意するに越したことはありません。

参考文献
1)夏秋優:「虫刺症」,小児科診療 82(11): 1461-1465, 2019.

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