華軍 世界観

なぜ「玉の緒結び」という神がかりな行為を人間が行うことができるのか、なぜ人間が神の文字を与えられた異形を討つのか、すべては五社の土地に起因します。

五社の地下には根の国が存在します。ここでの根の国は五社における神(以降カミ)が存在する空間であり、常世を指す。したがって五社の地下は神域とみなされ人の手が入ることを禁じています。樹海の木々は全て根の国から生まれたご神木的存在です。


カミについて

ここでのカミは所謂縁結びの神に分類されます。「結び」は「産すび」、つまりは「むすひ」のカミであり、「産魂」の力を所持します。カミは五社の土地に降り、人々に良縁を授けていました。その力は今も健在で、五社の人々の生活はとても豊かです。この縁を結ぶカミの力により全国から詠手舞手の力を持つものを招いています。

五社には以下のような伝承があります。
”とある山にあらゆる縁を結ぶというカミが住んでいた。ある時人々はカミに『死んだ者の肉体と魂を再び繋げてほしい』と願う。カミは人々に『では私の玉の緒を使いなさい』と自らの玉の緒を用いて死んだ者を生き返らせた。生き返った者は一騎当千の力を持ち人々を鬼から守ったという。”

実際はカミの異能力を人間が勝手に利用した形です。何度も何度も利用し多くの玉の緒が結ばれました。カミは玉の緒を結ぶ代償として結んだ者の死(穢れ)をその身に受けます。穢れを纏ったカミは生命力と共に異能力の力も弱まり、新たな身体を得るために異形のモノを産み出すようになりました。これが『シン』です。カミの身体(器)となるものはカミの魂に耐えられる程強くなければなりません。カミは自身の器となるものができるまでシンを産み続けます。
人々は異形のモノを受け入れることができずシンを川に流し神やらいを行いました。その川が玉兎地区にある三瀬川です。これにより根の国が誕生することとなります。

その後人々はカミが異形のモノを生み出すようになってもカミの異能力が残っていることに気づきそのまま利用し続けました。たとえ蘇生を繰り返した者が異形そのものになることがわかっていても。
そして人々はカミがある条件を満たした異形のモノを自らの身体とした際、異能力の力も回復することに気づきます。カミが生まれ変われば玉の緒はまた結ばれる。この事実に気づいた人々はより効率的にカミを生まれ変わらせる方法を考えました。華軍の始まりです。


カミの正体について


人間が存在する次元とは異なる次元から来た超常的な存在であると考えています。人間の眼には見えない魂などの概念を実際にあるモノとして認識し操ることのできる存在です。この生命体の知覚認識によって詠手の術という概念を実体化しています。
何らかの事故により人間のいる次元、五社に現れ人間に力を利用される形で現在まで存在しています。伝承では人間と話していますが実際は意思疎通できません。文明が起きる前から五社となる場所に存在しています。
人間に異能力を利用され続け弱っており、いくら身体を変えても元の身体ではないためこのまま長い年月をかけ死の概念によって消滅すると考えられます。


華軍について

シンと舞手は華、詠手は水、二つ合わせて実を結び、カミの新しい種子(器)となる。
華同士の舞と詠手の詩をカミへと捧げ、その恩恵(玉の緒結び)を得る。華と華とが競い合うのでハナイクサ。「華軍」とは人間とカミの蘇生の儀式の名前です。
華軍の儀を成就させる方法は2つあります。1つ目は「シンをカミの器となるまで強化すること」、2つ目は「カミの器となるモノを自分たちで作ること」。
1つ目はカミがそれに見合うシンを産み出す機会を待つ必要があります。舞手に倒されるシンはカミの器としては不適格。しかしそれではカミが先にコト切れる可能性もある、そのために2つ目の方法が編み出されました。これが特別な儀式となります。


特別な儀式について

「カミの器となるモノを自分たちで作る儀式」です。成績優秀者とは舞手ならばカミの魂に耐えられる可能性をもつ器、詠手ならばカミの魂の媒体として相応しい血が。カミの力を使い多数の生成優秀者を用いてカミを蘇生させます。事実上カミとなるためカミの生態上、役職関係なく「カミからの玉の緒結び」が行われるため肉体と魂は繋がっている状態です。したがって契約は解除されておりません。


舞手について


カミの器となる素質がある者です。舞手の血が華となるのはカミの姿が環境に適するために植物状のようなものになっているため。生まれ変わるという概念において植物が適していたと考えてください。


詠手について


カミの媒体となる素質がある者です。
その血をもって所謂神おろしをし、カミの異能力である術・玉の緒結びを行っています。


五社学園について


カミは長い年月を経つにつれて弱体化しています。よって現在は玉の緒が真新しい「子ども」とされる年齢の者にしか異能力の一端を与えることができません。この条件を満たし、華軍の儀を成就させる場として設けられたのが五社学園です。五社学園が五社の中心にあるのは華軍の儀を行いやすくするためです。
入学の儀とは生徒各個人とカミとの契約を指します。この契約をもってカミの異能力の一端を使用することが可能となります。


契約・神札について


神札に起請文を書きますが、カミに対してのものとなります。これをもってカミが誰と誰が契約したかを把握します。


玉の緒結び・神化について

『玉の緒結びとは詠手と舞手の玉の緒を結ぶ行為である』これに加えて『カミとの玉の緒を結ぶ行為』でもあります。切れた玉の緒を結ぶにはカミの力が必要、舞手の玉の緒を補うためにカミの玉の緒が使用されます。玉の緒結びの回数が多くなるにつれてカミの玉の緒の割合が増えていく、やがて舞手の玉の緒が全てカミの玉の緒となった時神化が起こります。


五社について

華軍の儀を行うための形をしています。シンの襲撃があるにもかかわらず要塞都市ではないのはそのためです。各区に辻切りが存在するのはシンが五社の中心に向かいやすくするためのシンに対する対処となります。五社外から5つの習俗が持ち込まれ、島ということもあり独自に発展し五社のカミとの文化と絡み合いあのような形になりました。


イベントについて

闘草…詠手舞手契約イベントとして考えていました。陣取り合戦は五社学園の神討伐の姿勢に不満を持った生徒達によって立ち上げられた戦略性を培う競技という設定がありました。

錦秋祭…人間ではなく動物を用いて華軍の儀を行おうとした五社の文化の名残です。神として奉っていたものをカミに差し出すというものでした。おはりこのような各社に奉られている動物を模したシンは毎年現れており、いずれにせよ開花すると贄となります。

華くらべ…蓬莱の異能力はカミに一番近いものでした。舞手がやつしとなるのは蓬莱が玉の緒結びを行っているためです。シン版の詠手のような感じです。

88…五社外はどんな感じかという世界観です。華軍と世界観が地続きですのでアフター企画として、五社学園生の将来の1つとしてお楽しみいただければ幸いです。運営するというのがエイプリルフールです。混乱を招き申し訳ありません。

noteにてある通り五社外にとってシン・神擬の存在は都市伝説程度の認識です。年間の行方不明者の8割は神擬に喰われている世界かなと考えております。カミと違い環境に適して進化しておりますので緩やかに死んでいくカミとは反対に新たな展開があるのではないかと漠然と考えています。
CSテンプレートは4月中に提示予定です。



当企画の世界観は民俗学を参考に構築していきましたが専門に学んだわけではなく、趣味程度のかいつまんだものに更に華軍の世界観を踏まえた独自解釈を行ったものとなっていることを念頭に置いていただければと思います。

華軍の世界観につきまして、あまりメモ等しておりませんので言葉不足な部分、そもそも情報が不足している部分が多々あると存じます。質問等はDMではなく『お題箱』にて受付ております。また88についての質問は華軍とは別のお題箱にて受付ております。混雑防止のためご協力よろしくお願いいたします。

訂正 2024/2/20
「カミについて」の記述において神やらいが行われた対象をカミと誤表記していた箇所をシンと訂正