カウンセリングのテクニックについて

カウンセリングのテクニックというものがある。
オウム返し、ミラーリング、リフレーミング、などなど…。
およそカウンセリングを学ぶとあれば、こうした技法を身につけることを指すことが多い。

しかしこのような腑分けされたテクニックが存在することを一度知ってしまうと、私たちにはカウンセリングが機械的な応答にしか見えなくなってしまう。
うん、うん、と身を乗り出して話を聞いてくれるカウンセラーがその実、マニュアルをなぞっているだけなのではという不安は、クライアントの本音を閉じ込めてしまうかもしれない。

ではカウンセリングのテクニックを知悉した人間は、もう二度とカウンセリングを受けることはできないのだろうか?

そんなことはない、と考えたい。
カウンセリングには技法を超えたものがあり、むしろそうした表面的でないものこそが本分である、と。
事実そのような不思議な力を持った人間を私たちは何人か、挙げることができるだろう。

それは無意識と呼んでもいいし、神でも、気でも、真心でも、xでも、何でも良いのだが、言葉の網でつかまえた瞬間に淡くも消えてしまうものと、我々は暮らしていかなければならない。

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