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うすら寒さを乗り越えて

ようやく、少しずつ走れるようになってはきたが、まだ追い込んだトレーニングはできない。

ランニングの代替トレーニングとして有効なのが水泳、スイミングだ。分かっている。分かっているけどプールにはなかなか足が向かない。その理由を100文字以内にまとめよ。とテストに出されてもまとめきれないほど、言い訳はある。

まず身支度がある。運動とは、日常生活からの脱却、非日常体験でもあるから、当然、着替え、練習場所へ移動という身支度が必要である。

冬になると走らなくなる人が増えるのは、身支度に時間と手間がかかるというのが一つの大きな要因だと思っている。

料理レシピ風に書くと
パンツ 1・・・柔軟剤通ししてあるもの
Tシャツ1・・・ロング丈でも代用可
ロングタイツ1・・・厚手のもの(ジャージで代用可)
ジャージ上下1・・・薄手のもの(なくても可)
ウインドブレーカー上下1・・・中綿入りのものであればなお良し
グローブ2・・・ランニンググローブにすると彩がよくなります
ネックウォーマー1・・・マフラーにすると疾走感がでます。
ニット帽1・・・目出し帽は不可(警察にとめられます)
ソックス2・・・足首の出ないタイプ(ショート丈不可)
ランニングウォッチ・・・GPSのついたのものが便利

10月くらいまでなら上の3つで十分だが、真冬にもなると、これだけ身支度しなければいけない。点数が増えると当然必要な時に見つからないものが出てくる。あれがない、これがないというのが始まる。

特に、毎朝、私を困らせるのが、ランニンググローブとランニングウォッチである。グローブに関して言うと右か左かどちらかは大抵いない。

ソファーの下にいたり、脱衣所のかごの中にいたり、ウインドブレーカのポケットの中にいたり、洗濯物の裾の中にいたり、探しているうちに、時間が過ぎて
「もうええかな、今日はいかんでも」
となることが結構多い。

だから、私は軍手をいつも用意しておく。ランニンググローブにくらべると、スタイリッシュではなくなるが、
「もうええかな、見た目なんて」
と見栄えより、実を取ることを優先する。
おっさんに色気はいらない。


ランニンググローブとそのリザーブの軍手。時には2枚重ねで。


ウォッチの方は、ジョッグの時であれば、走るコースは大体決まっているので諦めてウォッチなし走ることもある。

私の持っているガーミンはスマホ(iPhone)とリンクしているので、スマホをなくした時は、ガーミンの探索ボタンを押して探す事ができるのだが(近くにあれば)逆はできないのだろうか?いつもスマホからガーミンを探索できたら便利なのになあと思う。

しかし、どうなのだろう。こうやって便利になればなるほど、人は頭を使って、自分の履歴を振かえることや、自分の行動形態から予測して、何かをサーチする機会を失い益々、物忘れは加速していくのではないだろうか。

あれがない、これがないと右往左往することは、家族にとってみれば迷惑な話だが私にとっては、良いボケ防止になっているのかもしれない。

話が脱線したが、水泳も身支度が大変だ。これまたレシピ風に書くと

スイムウェア1・・・フィットするものを
ゴーグル1・・・フィットするものを
キャップ1・・・フィットするものを

これの何が大変なのだろう。これだけみると全く大変でない。しかし水泳は場所を移動しなければいけないと言うのがネックになる。

ランニングのように家からそのままいけない。この格好で家からそのままいったらただの変態だ。だから移動に理由が必要になる。
(モチベーションが乏しい場合)

ちょうど、土日は末っ子がスイミングスクールに行く。移動に理由ができてしまった。末っ子がプールに行くときは、私も水泳バックを持っていくことにした。

用意を整えて、更衣室のシャワーを浴びプールへ向かう道中、もう一つプールに足が向かない理由が分かった。うすら寒いのである。うっすら暖房がかかっているから、めちゃくちゃ寒いわけではない。

でも大体の人は、シャワーを浴びると、両肘を抱え、肩をすぼめて、歯をカスタネットみたいにカチカチいわせて、プールサイドを足早に歩いている。

そしてプールに入ると、これまた、うすら冷たいのである。分かっている。これから運動するのに水が温かかったら、すぐにのぼせてしまう。

さあ、すぐに泳ごう。1本(50m)クロールで泳いでしまうと、うすら冷たさは消えていた。ただ、水泳は陸上競技以上に風景は変わらない。青いプールの底をみながら自分と対峙しなければいけない。

それでも水泳の喜びを見つけようとしながら泳いだ。50mの次は100m。その次は200mと距離を延ばす喜び。平泳ぎなら、50mをいかに少ないストロークで泳ぎ切ることができるかなど。

更には、使っている筋肉も、しっかり意識して泳ぐ。クロールでは広背筋の動きを、ひとかきひとかき意識しながら泳ぐ。平泳ぎでは足のひと押しひと押しが、内転筋のトレーニングだと意識しながら泳ぐ。

ひと往復ごとに荒い息を整える。これだけ呼吸が乱れているということはしっかり追い込めている証拠だ。

反対側のレーンでは、末っ子も一生懸命に泳いでいる。ガラス張りの壁を隔ててスイミングスクールで泳ぐ我が子を見守るママたち。その視界の中を何度も横切る必死の形相のおっさん。

せめて、息継ぎにあがってくる顔ぐらい、かっこよく見えていて欲しいと願う。(色気出してんじゃないか)

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