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あまろっく

映画「あまろっく」を観た。

関東在住で関西のことには詳しくないので「尼ロック」のことも知らなかった。
「尼ロック」とは、水害から街を守るためにつくられた閘門の愛称だそう。難しいことはよく分からないけれど、確かになんかカッコいい。

お父ちゃんは「あまろっく」だと言いながら、ゴロゴロテレビを見ていてちっとも働かない(ように見える)。そんな姿を見て、自分はしっかりした優秀な大人になろうと決意し、実際そのように成長した娘。そんな娘がリストラされて実家に帰ってくるところから物語が始まる。

そもそも「ご実家ムービー」っていう言葉に惹かれて観ようと思った作品だった。
なんだかんだ「実家」に帰ると言う選択肢があることって強いよなと僻みのような気持ちもあった。困ったときに「実家」って、すごく居心地がいいとかでなくても、「とりあえず」でも拠り所として機能する場所は心強い。「ホーム」を持つってことと安定についての妄想が広がる。

「家族」ってなんだろう。
一緒に暮らしているとか、血のつながりとか、そういうこともある。仕事仲間やご近所さんも緩やかなつながりのなかで、拡大家族のような距離感で描かれていたのが印象的だ。
変わり者だったり、口が悪かったり、それでも変わることを強要するのでもなく、自分を変えるのでもなく、生きている。
「笑っていること」が必ずしも良いわけでもないけれど、「人生に起こることは何でも楽しまな」の境地は感慨深い。一見ただの能天気でもあり、深い。深い爪痕をみんなに残している。

テンポよく軽快でおもしろい。それでいて、ちょっと泣けるグッとくる。そんな映画で、うれしい気持ちになった。

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