穏やかな生活を続けること
穏やかな生活、丁寧な暮らし、憧れではあるが、憧れっぷりがぼんやりし過ぎていて解像度が低い。
「おネコさま御一行」を読んで、穏やかな気分に浸った。所謂、お得意の「現実逃避」ってやつだ。
この本は、群ようこさんの「れんげ荘物語」シリーズの最新作だ。なんと6冊目。
今回は、すっかり無職生活が板についたキョウコさんの穏やかな日常が描かれている。穏やかとは言っても、「何もない」わけではなく、日々、何かを考えたり感じたり、そして煩わしい出来事だって起こるのだ。
それらも込みで、「穏やかだ」と感じた。
そもそも、「れんげ荘物語」とは、月10万円で心穏やかに暮らそうと決意した45歳の主人公キョウコさんが、家賃3万円のボロアパート「れんげ荘」に住み始めるところから始まっている。
かなり強烈な母親に育てられ、広告代理店という華やかな業界でバリバリ働いていたキョウコさん。
コツコツと月10万円生活が80歳まで続けられる金額を貯めて、スパッと仕事を辞めて家を出る。
潔い。そして、よくぞそこまで耐えて生き延びていたものだとも思う。
とても常識的で賢い女性なのだ。
私がこのシリーズに出会ったのは、2作目にあたる「働かないの」というタイトルに引き寄せられたからだ。
「無職」は私を引き付けるパワーワードの一つである。
とにかく頑なに、キョウコさんは「働かない」ことを選択している。潔い。
それに比べて私は、、、、などと考えるのはやめよう。
無職に憧れるとはいえ、キョウコさんの生活が理想かと言うと、私の求める生活とは違う気がする。
私の求める「働きたくない」や「穏やかな生活」って何だろう。
結局、そこが漠っとしているから、どうにもたどり着けそうな気がしない。
自分の理想や欲望の解像度を上げることが、幸せへの一手なのだ。
そろそろ、この苦手課題に着手しよう。
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