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自分の居場所

ジェーン・スーさんの本「闘いの庭 咲く女」を読んだ。

インタビューエッセイで、13人の女性にインタビューして、その人の歩んできた道から今の自分を確立した過程、その人らしさみたいなことが書かれている。
人の人生に興味がある。それは、人それぞれに千差万別、唯一無二でありながら、どこか共感も普遍性もあり、そのエッセンスを「自分」の中でろ過され、抽出された「わたし」に結実する醍醐味がある。実際にはそんなに単純ではないこともわかりつつ、「わかりやすく」パチリとその瞬間を切り取ったような「The ○○さん」的な爽快さも心地よい。

印象として、「他者から求められる自分」、「社会からのニーズに合わせて築いたポジション「、「自信が持てないままに進んできた結果としてここまできた」そんなお話が多かったように感じた。

そんな中、一番インパクトが強かったのが、最後の「一条ゆかりさん」だ。
何と言うか、強い。強い「我」を感じた。それは決して嫌な感じではなく、とにかく「力強い」という点において圧倒され、畏敬の念を禁じ得ない。
ここで、「わたしとは違うし」「わたしにはできない」と思ってしまう自分もいる。もちろん、違うのだ。だけど、そうなれない自分に対する嘆きではないもっと別の心の揺さぶりと涙が滲んでくる。この涙は、弱々しいものではなくて、力が湧いてくるような、そんな熱い涙だ。
実は、かの有名な「有閑倶楽部」さえも読んだことがない。これは一条さんの漫画を読まねばと謎の使命感に燃えている。どれから読もうかな。

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