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「洞窟オジさん」

Audibleで聴いた「洞窟オジさん」

13歳の時に親の虐待から逃げて家出。
足尾鉱山の洞窟で生活し、その後も転々としながら野山でのサバイバル生活を43年間も続けたというビックリな人生が綴られている。
本当にびっくりだ。

兄弟の中で自分だけが虐待されていた。食事も満足に与えられず、「つまみ食い」をしては虐待されるという過酷な環境。
そこで「逃げる」ことを決意する。町に出ては見つかって連れ戻されると考えて、山に行く。
愛犬シロが追いかけてきて、一緒に洞窟での生活が始まる。このシロが賢過ぎてえー--?っと思うけれど、長い時間軸をぎゅっと凝縮したら、こんな風に映るのかもしれないとも思う。

それにしても、逞しい。

寝床を作ること、食料の確保、一人で生き抜く覚悟が壮絶だ。
軟弱な私には到底できそうもない生き方だと距離を置きつつ、グイグイ引き込まれていく。
生きる力が強いのだなと思ったところに、自殺するため樹海を目指す場面が出てくる。
死体を目の当たりにして、再度「生きる」選択をして樹海を抜け出す。

最終的に警察に捕まったことで、「社会」との接点を持つ「生活」へと戻ってくる。
その後、群馬の障害者施設で住み込みで働くようになり、人とのかかわりの中で生き、ブルーベリーを育て、子どもにサバイバル術を教える「新たな人生」を送っている。

ドラマみたいな人生だなと思っていたら、すでにドラマ化されていたらしい。ドラマよりドラマらしい。

私自身、「仕事柄」ドラマみたいな人生に出会う機会は多かった。
激しい人生だけでなく、割と穏やかで「平凡」な人生に見えても、人には歴史があり、そこにドラマがある。

何が良いとか悪いとか、正しいとか間違っているとか、そんな「価値観」を超えて、唯一無二の「人生」に耳を傾けたい。
私は人の「生活」だとか「人生」というものに興味津々なのだ。支援したいとか、手を差し伸べたいとか、そんな高尚なことではなくて、ただ「知りたい」と思う。
「課題」を抽出して「解決」することが目的ではなくて、そう生きている「尊厳」「そのひとらしさ」、そんなものに触れたいのだ。

そんな「興味関心」は、役に立つことなのか、仕事になり得ることなのか。
いつも自問自答して、がんじがらめになって、自分の生きる意味とか目的を見失う。

あなたが話したい、聞いてほしいと思う時、タイミングよく「聞く人」になりたい。

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