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映画『ブラックバード』安楽死をめぐる愛の物語

映画『ブラックバード 家族が家族であるうちに』をオンライン試写しました。

進行性の難病を患うリリー(スーザン・サランドン)が、家族や親しい友人と一緒に過ごす、最期の週末を描いた作品です。若干、ネタバレを含みつつ、本作の感想を書いて見どころをご紹介します。

理想的な安楽死

リリーは、自分の体が動かせるうちに安楽死することを選びました。リリーは自分を律することのできる強く賢明な女性です。安楽死は非合法ですが、医師であるリリーの夫は、リリーの希望を尊重し、安楽死を行います。

感情がぶつかり合うシーン、死に対する恐怖や悲しみも描かれていますが、本人も家族も納得できる、理想的な安楽死が描かれています。

わたしも安楽死できたら……と考えることがありますが、リリーと同じような状況(安楽死の実施、安楽死の隠蔽、自分と家族の気持ちなど)をつくるのは、現実的には極めて困難です。

理想的な安楽死が描かれているけれど、安楽死を肯定する意図はないのだろうと感じました。

母、長女、次女の関係

リリーの死が間近に迫ってくると、感情がぶつかり合うシーンがあります。

長女ジェニファー(ケイト・ウィンスレット)、次女アンナ(ミア・ワシコウスカ)の確執があらわになる場面は、誰に感情移入するかによって、印象は違ってくるでしょう。3人の女優たちの見事な演技を堪能する作品だと思います。

ウッドストック世代

リリーは、1960年代アメリカのカウンターカルチャーを象徴するウッドストック世代。会話の中に、ウッドストックというキーワードが何度か出てくるのですが、リリー自身は、1969年のウッドストック・フェスティバルには行ってないようです。

アメリカにも「ウッドストック世代は○○な感じ」というような世代論があるのでしょうか。「ウッドストックはどんな感じだったの?」というように、この世代の人たちは、誰もが伝説のウッドストックに行ってるはずという前提で、あれこれ聞かれてきたのかもしれませんね。


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ブラックバード 家族が家族であるうちに
2021年6/11(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
配給:プレシディオ、彩プロ
© 2019 BLACK BIRD PRODUCTIONS, INC ALL RIGHTS RESERVED 
https://blackbird.ayapro.ne.jp/


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