パラレル

あくまで友達だった頃
でも友達としてより一層仲良くなった頃
あなたはたくさん肥料をくれた
道端の雑草のようだった私は、今まで経験したことのないやさしさに
驚きながらも感謝と幸せに満たされた
勘違いしないように気を付けながらも、私はそれをめいっぱい吸収して
勝手にぐんぐん育った
そのうち、花瓶に活けられなくていいから、ほったらかしでいいから、
あなたの庭の片隅で日々を共に過ごしたいと思うようになった
期待しないと言い聞かせながら、なるべく小さな期待の蕾をたくさんつけて、そのどれか一つでも花開くことを夜ごと夢見た
でもやさしくてひどいあなたに、私はたまらなく不安になった
気が付いたら、蔓のように絡みつき、ねじれて、あなたを苦しめていた
そんな風になってしまった自分を感じて、自分自身も苦しかった
そして、その日は来た
私は刈り取られて、きれいに姿を消した
根っこは残っているような気はするけれど、もう成長するだけの肥料はない
いつかあなたから火を付けてくれることをまだ少しだけ考えてしまうけれど
刈り取られた私は乾燥の一途を辿り、身を焦がす前に焼けてしまうでしょう
友達に肥料をあげてしまう、それなのに刈り取ってしまうあなたのような矛盾を
私もきっと抱えているから

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