小野とうか

東京✈︎大阪 映像作家を目指すも挫折。百貨店勤め。映画館帰りのカフェで瞑想。レビューは基…

小野とうか

東京✈︎大阪 映像作家を目指すも挫折。百貨店勤め。映画館帰りのカフェで瞑想。レビューは基本ネタバレです。

最近の記事

「なぜ君は総理大臣になれないのか」世界×人間のガチンコドキュメント

映画は結果的なアートだよなぁ。 このドキュメンタリーを観て、改めて強く感じた。監督すら意図しないものがうつり込み、強力に作用し、観ている人をスクリーンに映し出されている世界と違う次元へ運ぶことがある。 この映画はそれを達成していると思った。 ※ネタバレレビューです。 2020年/日本 2021.6.2現在 Netflix視聴可 ○さくっとこんな話衆議院議員小川淳也氏の17年間を追ったドキュメンタリー。家族の猛反対を押し切り政治家になった小川氏の軌跡をたどる。 2017年、

    • 「永い言い訳」愛しにくい、現代

      「すばらしき世界」が話題の西川美和監督。この映画についてもっと解りたくて、監督の前作を観直した。結局、こちらでも世界が素晴らしいのかどうかはぐらかされてしまう。物事の単純化が流行りがちないま、簡単に白黒つけない誠実さに触れること。「すばらしき世界」に比べて身近なテーマ。現代人の抱えるしょうもなさと光が同時進行する。 ※ネタバレレビューです。ご注意ください。 2016年/日本 2021.3.28現在 Amazonプライム視聴可 ○さくっとこんな話人気作家でテレビタレントとし

      • 「あのこは貴族」をもう少しだけ

        ※以下ネタバレを含みます。この映画の配役について語りたいです…。 普段、そこまで気にしないようにしているのですが、今作はダイレクトに物語に影響していると感じいてもたってもいられず。俳優の立ち姿が脚本の意味を立ち上がらせる、というのをしっかりと目の当たりにした興奮が冷めやらないのです。本来映画体験というものはいつだってそうであるはずなのに、わたしはそこの感受性が鈍いのかもしれない。 ****** まず、幸一郎役の高良健吾さん。 高良さんがやらなければ、幸一郎はもっとずっと嫌

        • 「あのこは貴族」息苦しさの源泉を探しに行く

          「あのこは貴族」を観てきた。2回も。 穏やかに上品に行われる現実への抵抗。気品とは。運命とは。社会とは。観た人の背中をそっと押してくれる、後味スッキリのさわやかで優しい映画。 シスターフッドがキーワードだけど、対男性のような簡単な二項対立ではない、深味濃密な作品なので、ぜひ男性にも。 ※ ネタバレレビューです。ご注意ください。 ○さくっとこんな話東京に存在する中心部・外部(階層)について両階層、特に女性の目線から描かれる。 扱われるのは、がっちりと築き上げられた社会構造から

        「なぜ君は総理大臣になれないのか」世界×人間のガチンコドキュメント