「寂しい」のところ。春
この季節になると
必ず思い出す。
でも、別の思い出にすり替えて
見ないようにしてきた。
不意に涙が出そうになる。
そんな青春と呼ぶには
あまりに曖昧な日々。
桜の散る頃、上着を1枚脱ぐ頃
大学の喫煙所。新校舎の匂い。
新入生歓迎会のチラシの山。
あの18歳の私から
かなりの年月が経って
その時をはっきりと
思い出さないようにしてたのは
「寂しい」がそこに蓋をして
中々開けられなかったから。
そうして沖縄のオレンジ色の風に当たって
季節を忘れようとしてたんだけど
特に、春と