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喜々として舞う春    山岡鉄舟

こんにちは。

喜び綻ぶことがあれば、憂うこともあります。人間ですから。
最近の僕は、新緑の芽吹きと重なりあうように元気に過ごしております。

考えてみますと、ここ数年はコロナ禍でマスクをつけて鬱々を過ごしていました。あらゆるところに制限が設けられ、猜疑心が渦巻き、どこか檻に放り込まれたような世界でした。完全収束とは断言できないとは思いますが、街中には外国の人が溢れて日本の文化を楽しみ、制限が少しずつなくなって行きます。

もっともっと歓喜に湧いてもいいのではないでしょうか? と感じております。本来ならば。全員とハイタッチをしながら歩きたい昨今ですが、小心者の僕は、春の柔和な風に身を任せるだけで心地よいのです。

さて、幕末の幕臣に山岡鉄舟との偉人がおります。既知の偉人でしたが、山岡鉄舟の生涯の詳細について知らないことが多々ありました。
本を買い熟読中です。目から鱗。そして落ちた鱗が欣喜雀躍。とんでもない偉人だったと再認識させられました。勉強勉強・・・。

山岡鉄舟は禅にも精通され、とある逸話が記述されていました。

禅僧が山岡鉄舟に言います。
「あなたと鳥尾さんのお蔭で、禅も段々盛大になります」と。
山岡鉄舟は言います。
「禅が盛んになるって、そりゃ何を云うのだ。なるほど近頃はほうぼうで提唱や独参が行われているようだが、どれもこれも内容の空疎な安売禅だ。そんなものがいくら殖えたからって禅の維持発展にどれだけの助けになるものか。おれはそんなものよりも真個禅の根源に立ち入って、正法の維持を図る者が一人でも出てくればいいがと日夜心配しているのだ。おまえさんのように、禅の門前のみを張ることを喜んでるのとは大きに考えが違う」
僧は山岡鉄舟の言葉を聞き、二の句が続けなかった。

重みのある言葉です。求道心が滲み出て、世情への憂いもひしひしを感じさせられます。

山岡鉄舟先生正伝 おれの師匠  -ちくま学芸文庫- 


歴史小説から始まり、昨今は日本の偉人の本を読み漁ってます。取り憑かれたように。
日本には本当に素晴らしい人々がおり、誇らしい人々がおり、その先人が日本の民族をしっかり継承されてきました。切腹が生優しく聞こえるほどの苦難が、無数にあったことでしょうが、現在の日本がここにあり、僕はその恩恵を受けて息をしています。

新緑の伊吹に併せて先人が僕の背中を支えてくれているような気がし、喜々として舞う春のこの頃です。


花子出版   倉岡 


文豪方の残された名著を汚さぬよう精進します。