ちっちゃくないよ!

暑いですね。灼熱です。
このご時勢、装備品が増えた分、余計に熱がこもって体調崩しそうな崩さないような。
そんな環境下で10日間ライブするとかいう、ちょっと未来に行ってるアイドルがいるわけで。
はい。うちの界隈では有名なえのぐさんですね。
10DAYSライブ 遮二無二、お疲れさまでした。
さすがに平日断行のライブは見れなかったので、タイムシフト勢に徹しておりました。

とりあえず、後方腕組保護者勢的位置からいつもみているので、今回も「お。すごいやん」と思ったポイントなんかを上げていこうかと思います。

さすがに10日分全員を見ることが出来ないので、まずはぱっと見でエグさすら感じた鈴木あんず氏から、勝手に語ろうかと思います。

比較はえのぐ3周年ライブ「臨戦態勢 麗 / 吼」。
何度でも手軽に見比べられるからね。

前回note書いたとき、あんず氏の「動と静」から繰り出されるキレがやばいとお伝えしたかと思う。

が、今回、そのキレが「すげぇ!」ではなく「エグい」レベルに進化していた。
字面があれだけども、語らせてほしい。

あんず氏は皆様ご存知、VRアイドルグループ「えのぐ」の中でも最も小柄でイメージカラーも寒色と目立ちにくい存在ではある。
しかしながら、ライブではその存在感は長身の夏目ハル嬢を大きく超える。
今回の遮二無二を見て、つい目で追ってしまう。
いわゆる目が足りない状態ではあるものの、ゆーて、かつてここまで大きな存在感があっただろうか。
いや、目立ちはしていたが、エグさを感じるほどのレベルではなかったような記憶。
一体何なんだろうなと、映像を並べ、同じ曲で再生し、じっくりと検証してみた。

あんず氏はかつて「もっと表現力を上げたい」と言っていたのを思い出す。
筆者は彼女ではないので、見出した正解が何なのかはわからないものの、これも一つの「表現力」が向上した結果なのでは、とも考える。

キレの速さは正直、限界なのではないかなと思っている。
人が繰り出せるリミットはもちろんあるし、メタい話をすれば動きを映すにも限界はある。
この速さは割と完成されているのでは、と感じたのは「臨戦態勢 麗 / 吼」でのこと。
これ以上の速さは出んやろなと、その時まで思ってたんだろうな。

今回、その当時の速度を超えてきたのが、エグさを感じるポイントの一つだと思う。
物理的な速さより、視覚効果的な速さというのだろうか。
あんず氏は身体全体をうまく使うことで、動きの速度を上乗せしていると見えた。
「臨戦態勢 麗 / 吼」では、比較的「腕のフリ」と「動静」を組み合わせることで、メリハリの速さを表現していた。
ただ、それは定点から定点の中で加減速をつけることで表現していたもの。

今回の「遮二無二」では「動静」はそのままに、身体の伸び縮みを利用した対角から対角への動きが、動きの距離を伸ばした結果、速度が増したように見え、加えて大きな動きに転嫁されている。

自衛業をしていたときの話だが、訓練の一環で自衛隊体操という体操を行う際、身体を限界まで駆使して「極限から極限の動き」をやれと言われていたが、まさにそれなのだろう。
ただ、極限から極限の動きというのは、そう簡単にできるわけではなく、件の自衛隊体操で限界までやった結果、疲労骨折者が3名出るというレベルで、それなりのポテンシャルがないと簡単にやれるものではない。

あんず氏の動きは曲に合わせることもあって、過剰に限界まで振り回しているわけではないものの、上半身や踵や膝のバネを活かした上下動作などと合わせることで、始点の位置から終点までの距離を伸ばし、静止状態からの回転半径以上の移動距離を稼いでいるという形のように見受けた。
単に腕を右から左に振るという動作でも、右に腕を振り出した瞬間に、身体もやや右に方向け、左に腕を振ると同時に身体もやや左へ傾ける。
これだけで左右10~15cmずつ、合わせて30cmほどの差分は生まれているだろう。
こうすることで体格差のあるハル姉とも引けを取らない振り幅を出すことが出来るので、4人でパフォーマンスをしていても必然と目に入ってきてしまうというわけ。

まさに小さな巨人と言ったところだろうか。

続いて2つ目のポイント。
あんず氏の上半身の動きが特に柔らかくなってきた。変な意味ではない。

今までは体感がしっかりしている感があって、割とガッチリとした構えだった。
そりゃあ、それだけ安定していればダンスも安定するよねという、日本の白の石垣のような安定感があった。
それが、遮二無二ではとても柔らかな動きが多くなってきた印象である。
前述の極限から極限の動きによる上半身の左右への振れ、踵や膝のバネによる上下の動きも相まって、ふわふわと動く感が増したように思う。
曲に乗ってとても楽しそうにステージ上を舞っているとも見える。
以前にも「あんずのしっぽ」を見てくれ、なんていう記事を書いたこともあるが、こうなってくるともう大暴れよね。

合わせて「頷き」回数も増えたことで、本当に楽しんでるんだなという表情が伝わってくる。
あんず氏は左側の表情が隠れていることもあり、声以外で表情を伝えることはなかなか難しい。
そこで「ノる」という動きで表情が伝わりやすくなったのは、あんず氏の内なる熱が客席にまで届きやすくなったということ。
伝わってなかったんかい、ということではないけども、以前より如実にわかりやすくなったかなというところ。

感情で言えば環ちゃんがえのぐの中では一番表に出ていてわかりやすい。
とにかく動きがうるさいや、黙っていれば美人、とも言われたりするが、一挙手一投足に感情を混ぜてくる彼女の愛嬌というのは、これも簡単にできるものではない。

その環ちゃんと双璧を成す存在のあんず氏が感情を動きで伝えられるようになってきたのは、これもえのぐとしての活動で大きく飛躍した点ではないだろうか。
こと、キャラクターを演じるというのは感情をあえて表に出さなければ、演じることは出来ないし、感情を出すことが恥と思えば中途半端でつまらない演技になってしまう。
こうした経験からも体全体で表現していくという部分が成長したのではなかろうか。と勝手に予測する。

歌声についても、数多くのライブを経て「低音担当」という部分から抜け出しつつあると感じる。
声質もあるので、じゃあハル姉と同じ帯域を歌えるようになるかというと、難しいと思う。
じゃあ、どういうことよ。
シャウト系ですよ、シャウト系。

あんず氏、ライブモードに入ると結構はっちゃけるんですけど、こと最近はメンバー全員が弾けるようになってきたおかげか、あんず氏も無茶するようになってきたのが、見ていて楽しい。
だって、4年前は誰かと会話するのも大変だった子が、ステージのど真ん中で叫んじゃうんですよ。
その内気な子が、低音軸ガッチリのシャウトとか、底力しか感じない叫びは、こっちも熱くなるよね。
しかもシャウト具合によってはイケボにもなるからずるいずるい。

ひなおも高音がよく伸びるようになったので、ソロ曲では中~高域をしっとりと歌い上げるあんず氏も、案外伸びるのではと思ったり。
ただ、低音の安定したロングトーンも魅力ではあるのだが、人は欲張りなので、別の一面も見てみたいというワガママです。はい。

まぁ、このあんず氏の低音に並び立てるのはらっこちゃんかなと思うので、揃ってのシャウトを聞いてみたかった感はあるが、それは叶わぬ夢でした。

それはさておき。
不撓不屈が間近に迫っているので、環ちゃん、ひなお、ハル姉についても語れればなと思います。

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