プラットフォームえのぐという見方

久しぶりのnoteになります。
花陽浴です。
どうですか。みさなん、元気ですか?(とある原文ママ)

はい。掲題の通り、VRアイドルえのぐちゃんの記事になるわけですが、この記事を書き始めて、あーでもないこーでもないと過ごしていたら、こんな時期になってしまいましたとさ。
今まで一体何をしていたんだいってことですが、公演後はひなハルペアの新曲「Too good」に衝撃を受けながら、年末に来るハル姉ロスに悶々とし、その後はリコリス・リコイルにドはまりしておりまして、完成を見ない記事となっておりました。
いやー、リコリコは要所要所でわたくしの癖に刺さります。危ないです。
そんなこんなで、ようやくリコリコも見終わり、リコリコの世界観でえのぐの二次創作SSを書きたいなと思いつつ、書きものは一つずつ終わらせろということで、もう一度戻ってきました。
奇しくもVtuberスタイルでえのぐ×制作陣の記事が載っているそうですが、100%リモートワークな花陽浴は外に出るという習慣がなく、手にするのは10月に入ってからかと思います。
なので、以下は個人の感想、人に聞こえる独り言と思ってください。
本来なら、9月上旬に出す予定でもあったので。


はい。
そんなわけで8/27に開催された「大絶響祭 2022 SUMMER in豊洲PIT」、お疲れ様でした。(激遅)
「“和×VRアイドル”が織りなす極上エンターテインメント」なんて、正直困惑しかない文字面が並んだわけですが、えのぐの楽曲を和アレンジするというチャレンジングなライブでしたね。
アーカイブは見ましたか?
2022年9月30日までですからね。日付変わったら終了です。

さて。大絶響祭。
初手から和を全面に押し出したライブだったので、はて。一体どんなライブになるのか。
おおよそは和楽器が並ぶだけと思いきや、殺陣や連獅子、舞踊なんかもあったりと、ステージパフォーマンスが盛りだくさんで、どこを見たら良いのかと困惑する人も多かったライブなのでは、と思う次第です。
和楽器 → わかる。
舞踊 → 和風バックダンサーという概念。
殺陣 → テーマが和だからね、わからんでもない。
連獅子 → さすがに意味がわからない。
ま、このへんは最近のえのぐを追っている人にとっては、普通ではない何かで攻めてくるんだと、予想はしていなくとも納得はできる結果だったのではないでしょうか?
逆に言えば、知らない人からすれば、このアイドルグループはどこに向かってるんだろう...と思うこともあるかもしれません。

で。
今回のライブやメンバーの良さは多分色んな人が語ってくれていると思うので、後方腕組古参ヅラしながら、個人的に書き出せるものは何かなと考えた結果の掲題です。
なので、えのぐメンバーのライブパフォーマンスやらこのシーンが良かったよ!という内容は一切なく、花陽浴から見る「えのぐ(概念)」について書こうと思います。

※以下は個人の感想です。

長いんで、結論を先に書くと「最近のえのぐって、ゼロからイチをひねり出してくる」んですよ。
それが「えのぐ」というVRアイドルグループの不思議なところで、V界隈そんな変わらんやろ、他のVとの違いなんかわからんよ、という人にはぜひ、そんな部分を一度見てもらいたい。
ちなみに、「オリジナル曲」を出すとか言う部分での話は、あまりにも当たり前すぎる概念なので、今回言いたいことの中には含みません。

ゼロからイチと聞いて、お?ラブライブサンシャインか?と感じる人も居るかも知れませんが、まぁ、そうなんですよ。
劇中のセリフが一番らしいなって思えるくらい、マジでゼロからイチを作るんですよ、えのぐちゃんは。
知らない人は気にしなくても大丈夫です。
この後、ラブライブは出てきません。

というか、ゼロからイチを生み出すなんてにじさんじも、ホロライブも、神椿もやってきてることじゃないの?
ARライブとか結構凄いよ?
確かにVRから始まり、AR、MRといろいろあって、リアルもバーチャルも含めた技術の向上で成り立つ「イチ」はね、どこでもやってるんですよ。
そりゃあ、コードまみれだったVRデバイスだって小型化するし、VRモーションキャプチャーも細かくなってきてるし、トレース力も上がってますよ。
えぇ。
えのぐちゃんはVRアイドルなので、もちろん彼ら(彼女ら)の後を追う、もしくは同じようなことをして欲しいという声もあることは知っているし、以前のDMMシアターでやったARライブが好評で、未だにあのライブは良かったという声もあるにはある。(伝説的だったもんね、色々と)

それでもえのぐちゃんは、バーチャルの、デジタルの中で生み出される利点とは逆のリアルとのコラボを積極的に取り入れていくのは、如何なものか。
と、花陽浴は昔思ってました。
何なら、今でも思ってたりします。
正直、リアルとバーチャルは協力できることはあっても、組み合わせることは出来ないわけですよ。
超えられない次元の壁ってもんがあってですね、これがなかなか難しい。
画面の向こうから嫁が一生出てこれないのと一緒の理論なんです。
デジタルがリアルに歩み寄るか、リアルがデジタルに歩み寄るか。
そうすることでなんとなく成り立つもんなんです。

じゃあ、えのぐはどっち側なのよと。
これまでのライブを見ている限り、えのぐちゃんはデジタルはデジタル、リアルはリアルとして見ているんじゃないかなと。
どっちでもないっすよってこと。
これが不思議なことで、きっと花陽浴が感じてきた「目が足りん」という違和感の素なのかなとも思います。

オタク的にはコラボレーションって一意のものに依って何かを作り出すというイメージがあるので、前述の「どっちかに寄っているべき」という見方になってしまうのかなと思うわけです。
ただ、見方によっては、それは教養の狭さの現れなのかもしれない。
それが、えのぐちゃんたちの最近のライブで感じさせられるんですな。

時は少し遡って2022年3月。「enogu 4th Anniversary Live - POSSIBLE -」。
ここで登場したのがPOI LABさん、ELEVENPLAYさん。
POI LABさんはLEDポイと呼ばれるデバイスを使い、光のエンターテインメントショーで活躍するグループ。
ELEVENPLAYさんはダンスグループで、多くのアーティストの振り付けやバックダンサーで活躍するグループ。
つまり、ガチガチのリアルパフォーマーなわけで、透過ディスプレイ必須のえのぐちゃんたちとは、一緒に演じることと言うのは演出的にもなかなか難しかったりするんだと思います。
LEDポイなんか光源だからね。
えのぐちゃんたちの属性からすると、混ぜるな危険よ。
透過ディスプレイがどうなっても良いという覚悟があるなら何でもできるんだろうけども。(反射、映り込み的な意味で)
過去、透過ディスプレイありきで背後にバンドを配置するとかは、結構あったりするんですけどね。
初音ミクとか初音ミクとか初音ミクとか(あとは知らんけど)
ただ、出来たとしてもぶっちゃけ気にはなるんですよ。
映り込み・反射・背後のものは若干見ずらいなどなどあるものの、そもそも透過ディスプレーあるんかー...っていうちょっとテンション下がる現実感を見せられてる感がね。

えのぐちゃんたちも、2020~2021年まではステージの床面に近い位置でパフォーマンスをしていて、その頭上でバンドのメンバーが生演奏をしたりする櫓組みをしたりという構成で、リアルはリアル、バーチャルはバーチャルで二分させた構成にしてたんですね。
なので、極力、ディスプレイを意識させないように構成していたといえば、そうなんだと思いまする。知らんけど。

で。これを、えのぐちゃんたちのステージを数メートル上にして、床面をリアルパフォーマンスの領域にしたんですな。
ちゃんとした床面なので、多少激しい動きも全然許容できるというわけ。
この舞台構成の変更は記憶の中だと「enogu one-man Live 2021 Winter -雲外蒼天-」から見られるようになり、生バント演奏のメンバーの動作に制限がなくなったのか、よりイキイキとしたステージ構成になった印象があります。
これが回を追うごとに進化していき、2022年3月にはステージ上にジャングルと滝が出現するという謎のステージに進化。
ここで、リアルパフォーマーを投入してきたので、ユーザーとしては上段のえのぐパフォーマンス、下段のリアルパフォーマンスの、目が忙しくなる自体になるわけです。
遠くから見てる分には全景が視界に入るので、見るのは楽なんですけどね。
近場だと視界が限られるので、首の筋肉が鍛えられるかもしれないっすね。

通常、奥行きの中でバックダンサーやバンドが配置されているので、そんな忙しくなくパフォーマンスが見れるわけで、えのぐちゃんの舞台構成では、正直「1点集中して見れない」というデメリットがあるわけです。
前述の通り、舞台構成が奥行きで構成ではなく、上下左右の平面でエリア分けされて配置されているので、ある程度ステージから距離が離れた席でなければ、全体を視界に入れるのが難しい。
なので「目が足りない」が起きるわけです。
見るポイントが多すぎて何見て良いのかわからんし、目を離した隙きに、あっちこっちで大変なことになってるやんけ!っていう具合。

じゃあ、えのぐちゃんのライブって不評なの?
捉え方は人それぞれなので「んなこたぁない」と全否定する材料は持ち合わせていないものの、周囲の声を聴く限りは、ほぼほぼ好評であると言えると思います。
鈴木あんず、白藤環がアイドル研究生時代から見てきた古参として、会場の昔見なかったえのぐみが感嘆の声を上げているのを聞く限りでは、ですが。
古参勢の信仰心だけではなく、最近知ってくれたえのぐみがステージを見て「良かった」と評価するので、信仰心補正なく良いパフォーマンスだったのだろうということです。(盲目的評価ではないという意)

言葉が急に悪くなりますが、ぶっちゃけ、リアルパフォーマーはえのぐのステージ構成の中では異質なものです。
えのぐのステージで、視覚的に邪魔にならず、えのぐの世界観を彩る生バンドは別として、自分たちはえのぐを見に来ているのだから、えのぐを見せろ。
極論、暴論を言ってしまえばそれまでと思います。
そのために金を払っているわけで、知らんものを見る余計な余力はないんですよ。
それでも、POI LABさん、ELEVENPLAYさん、日本舞踊 西崎櫻鼓 with おどりの空間さん、サムライアーティスト・剱伎衆かむゐさんと言った、本来異質として見られたかもしれないはずの、リアルパフォーマーに魅力を覚え、良かったと言えるのはなぜか。

それは「えのぐがゼロからイチを生み出した結果」だからだと思います。
花陽浴はアニメ、ゲームオタクなので、リアルアイドル、リアルアーティストのことはわかりませんが、本来知り得なかったものを、えのぐというステージを使って、見せてくれたことに感動や衝撃を覚えたからではないでしょうかね。

LEDポイって知ってた?
アーティストの演出じゃなくて、バックダンサーだけを見ることあった?
和楽器、太鼓以外で生で聞いたことある?
殺陣を時代劇以外で見たことある?
日本舞踊、歌舞伎、テレビ以外で見たことある?

花陽浴個人はどれもなーい。
知識としても知っていたとしても、知っているだけで、それ以上もそれ以下もなかったです。

もちろん、えのぐの各ライブに参加していただいたパフォーマー、アーティストの方々の技量がハンパないことは前提にあるのだと思いますが、それでも「推し」のステージを通して「本来知らなかった世界」を垣間見える、見せてもらえるというのは、思いの外、衝撃が大きいんじゃないですかね。
カメラワークのないリアルな動静がここまで凄いものだったのか、これが本物かと思わせるだけの魅力を、推しのライブに居ながら感じられる幸せですよ。
もちろん、えのぐちゃんたちのライブパフォーマンスも素晴らしいのはありますよ?
その上で「ゼロからイチ」を知った衝撃が上乗せされるんですよね。

ここで花陽浴個人として、えのぐはVRアイドルだけではなく、「プラットフォーム」としての「えのぐ」という概念、「えのぐ」は古の「岩本町劇場」を体現した存在なんじゃなかろうかと思い始めたわけです。
(※岩本町劇場知らん人用に文末にリンク貼っておきます)
一部の古参では未だにイジられるネタではあるわけですが、花陽浴個人としては、「そこにある」じゃないかと。
そりゃあ、当初の計画や目的と違うけども、「岩本町劇場」は確かにそこに存在しているんですよ。

仮にえのぐちゃんたちが居なかったら、ライブで協力して頂いた方々はパフォーマンスする機会が無かったわけで (その分、他の公演できるやんというツッコミはなしにして) 、つまり機会創出でもあり、VRアイドルを通してVtuberの世界を、共演した方々に知っていただくことで、次のVのステージにつながるかもしれないし、共演して頂いた方々が新しくVの技術を取り込んだ何かが生まれるかもしれない。
これらの試み自体がきっと次に繋がる可能性を生み出していることで、これから新しいイチが出てくるかもしれない。
これってただの技術という領域を飛び越えた新しい芸能の形につながるものなのかなとも。

長々と書いてきましたけれども、この駄文になんの意味があるんだい?と。

それはV界隈でえのぐちゃんを他人に勧める上で、一つの材料になればと思ったのが大きいですかね。
正直、いろいろなV界隈のファン層と話をしていて、昨今、どうしても実力の高い人らがあまりにも台頭しすぎてて、正直「そうよね、そっちのほうが実力あるよね」「そうだね、そっちの方がライブパフォーマンス凄いよね」っていう状況なんで、えのぐちゃんのここがすごいと伝えても、1/3も伝わらない。
むしろこっちの熱量にちょっと引いてんじゃないか、と。
なので、実力語りに実力語りしてもどうしようもないんです。
「はいー。こっちのほうが歌うまいー」みたいな小学生のはいバリアー的論戦に終始しちゃうんです。
それに登録者数出されると何も言えねぇ…。
お互いがお互いの強みを語り始めたら際限ないわけで、加えて、推せる時間も私財も限りがあるんだから。
本人からすれば、最推し以外は「見れたら見るわ~」程度でしょう、きっと。
わたくしがそうだもの。

なら、別の攻め手を使おうじゃないかと。
つらつらと書いたことが正しいってわけじゃないし、もしかしたらえのぐちゃん、岩芸ちゃん(運営)の思うところはあるかもしれない。
なので、あくまでもイチファンがそう感じたという意見の範疇を出ないわけですが、ずっと追ってきた側からすれば、実力以外の魅力を一言にすると「最近のえのぐって、ゼロからイチをひねり出してくる」に尽きるし、もうそこを見てくれと。
その上で、えのぐちゃんの実力を改めて吟味してくれと。
逆じゃない?とも思えるけども、先程も書いた通り、この界隈、実力がみんな高いから、そっちに目が言ってる人に、実力を語っても全部伝わらんわけですよ。
なので、実力と違う魅力を伝えるしか、興味を引けないんですよ。
何気ないV語りの中で、「このV、ライブ中に殺陣やってるんだよ」と一言。
まぁ、この一言でも「はぁ?」となりますわな。
「いやいや、マジマジ」と言いつつ、あとはそこからライブ映像でも見せて、知ってもらえればほっこり。
そこから1ミリでも推しになってくれれば、幸せ。
お気に入りの曲ができたとなれば、もう、ありがとう。です。

まずは話を聞いてもらうため、耳を傾けてもらうため。
えのぐって、実は...の部分で、こういった試みをしているんだよ、と言うのは、他のVでは見られないことなので、そもそも聞く気がない人たちには効果がないかと思いますが、何かない?と来る人には、興味を引けるネタをえのぐちゃんたちは今、生み出しているわけです。
え。これっと結構すごくない?そうでもない?

プラットフォームえのぐを見ていれば、きっとこれからも知らない世界が見れるかもしれないし、人によっては知っている世界かもしれないけども、新しい何かに出会うことができるのは間違いないんですよ。
何故なら彼女たちが常に言う「最高を超えていく」という言葉どおり、今までのライブも良かったけど、今回も最高だったというえのぐみの言葉に現れているので間違いないんです。
ただ、100点叩き出したものを、過去のものにするっていう言葉でもあるので、簡単にできるものではないんです。
それまでのステージを塗り替えていく覚悟と気合と苦痛を伴うもので、今まで通りが通用しなくなってくる。
かといってやり過ぎれば、次に繋げるときの落差で自分たちが納得できなくなる可能性もあるので、塩梅が難しい。
が。それでもここまで常に最高を更新し続けてきたので、あんまり心配してません。
きっとこれからもえのぐみの予想斜め上を行くのがえのぐ。
そんなえのぐちゃんを広めたいけど、広めにくいなと、思っている人の一つの材料になってくれれば、深夜帯に一生懸命書いた意味もあるってもんです。



※岩本町劇場ってなーに?
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000033778.html

その昔、そんな構想があり一部界隈では換気に湧いた。
体現されたアプリがリリースされたものの、思ったより活用されず、サ終。
進化版がリリースされたものの釣りアプリとの専らの評価。

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