「一畳漫遊」 第一話 一喜一憂GISTの乱③

 いよいよ検査結果を聞きに診察室へ。初診の時と変わらぬ、居川先生の穏やかな顔に少し安心しながら腰かけました。

 「説明はある程度簡単にしたほうが良いですか、詳しくお聞きになりたいですか?」ときた。おっと、これって重大発言しますよ予告じゃないの、と思ったけれど、私がきちっと聞くしかないのですべて話してくれとお願いしたわ。

 検査結果を見せてもらいながら、ずいぶん詳しく説明をしていただいたけど、むつかしいところはもちろんよくわからない。覚えている範囲でまとめると、
◎癌ではない ・・・ この一言、割とうれしかった
◎GISTという腫瘍と思われるが、最終的には組織検査をしないと確定診断とならない
◎手術が必要・・・まあそうでしょうね
◎しこりが15cm以上あるし、かなり血流が豊富なので開腹手術になる ・・・ どうせ取り出すのに15cm以上切らないといけないんだもんね
◎軽い貧血はあるけれど血液検査に問題なし

画像1

 ということで手術予定日を決め入院予約をした。看護師さんから、入院の段取り、必要なものなどを詳しく説明をうけ、入院誓約書その他にサインをした。入院してから娘と一緒にもう一度説明をしてくださるとのこと。一応覚えている範囲で娘には説明するけれで、やはり一度ではわからないものね。その時までに聞きたいことができたらなんでも聞いてくださいね、との一言もなんだか安心した。

 私が手術を受けることになるなんて思ってもいなかったし、入院予約をしてもまだ実感なし。ちょっと偵察と思い、病棟の方へ行ってみた。点滴台を引っ張っている人、車いすで移動をしている人、髪の毛が抜けてしまっているのかニットのキャップをしている女性、移動式ベッドに寝かされてどこかへ連れていかれている人、などなど様々な人が入院しているみたい。私も一時的にここの住人になるわけだ。つつがない入院生活を祈りたいけど、手術を受ける時点で大事件、つつがない日常ではないわよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?