一畳漫遊 一喜一憂GISTの乱⑤


 術後の経過は順調だったわ。2 、3日は背中からの痛み止めを使い続けてくれたのもあって痛みで苦しむことも無かったし、2日目からは軽い食事も始まった。術後1週間の間に普通のご飯に戻って、体も動かしやすくなった。
「術後の血液検査やレントゲン検査は問題ありません。自宅で過ごせそうと思ったら教えてくださいね。退院にしますから。病院にいるのが退屈になってきたら、もう大丈夫ですけれどね。」
「分りました。」と答えたけれど、それって退院を自分で決めるって言うことよね。ちょっとびっくり。だけど入院していたければいてもいいっていうことよね。ゆっくり考えよ。

 初診から手術を終えるまで、あっという間の出来事でした。あまりにも順調なので、本当は腫瘍が大き過ぎて取れなかったのじゃないかしら、なんて疑いが頭をよぎったけれど、娘からちゃんと報告が来ました。娘は手術の後説明を受ける際に、取り出した腫瘍も見せてもらったとのこと。赤ちゃんの頭よりはるかに大きかったとの報告にびっくり。まぁ15センチ以上あるわけだから当然かもしれないけれどね。そういえば、確かにお腹も手術前より引っ込んでいるから、ちゃんと取ってくれているのねと疑念は払拭されました。

 結局、術後10日目に退院となりました。初診の日から退院まで1ヵ月も経たずに経過しました。先生が手早く段取りを整えてくれたからよかった。帰りは、娘が車で迎えに来てくれました。割と短い入院だったのに帰るときになると思った以上に荷物が増えていました。再診の日取りも約2週間後に決まり、看護師さんや先生にお礼を言って病棟を出ました。玄関を出ると急に開放感が身を包む。あーやっぱり外の空気はいいわ。病院を見上げ、それじゃと手を振り車に乗り込んだ。

画像1

これで自由だ。早く家でゆっくりしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?